講演情報

[II-P01-3-10]事前より注意していたにも関わらずPacemaker lead逸脱を来たした内頚アプローチでのTPVI症例

西川 浩1, 吉田 修一朗1, 大島 康徳1, 吉井 公浩1, 小山 智史1, 佐藤 純1, 朱 逸清1, 松本 一希1, 小暮 智仁2 (1.JCHO中京病院中京こどもハートセンター小児循環器科, 2.東京女子医科大学病院循環器内科)
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キーワード:

pacemaker lead、dislodgement、TPVI

【はじめに】硬いガイドワイヤーやシステムを要するカテーテル治療では心腔内leadへの干渉に配慮を要する。今回、事前に予行を行ったにも関わらずlead逸脱を来たした症例を経験したため報告する。【症例】46歳男性、21Trisomy。他院執刀医よりTPVI目的で紹介。両側大腿静脈閉塞。29歳に洞不全に対しPacemaker(PM)を要し41歳で経静脈lead(DDD)に変更。予め適応につき精査。PMはAs-Vs87.9%、 As-Vp8.6%、Ap-Vs2%、Ap-Vp0.9%でV lead必要度は低かった。流出路に石灰化、狭窄を認めWhiskerワイヤーと25mm Zmed-IIで拡張試験施行。この際、A lead内側を通すとワイヤーの張りによるlead事故抜去の可能性が確認され、外側を通す事で干渉を回避する方針とした。【TPVI当日】計画通りA lead外側を通し右PAへ到達。しかし、Housingへの影響を減らす確認のバルーン拡張を行う際にA,V lead位置が大きく吊り上がった。拡張を行わずシステムを抜去しPM check。V leadがA senseしており逸脱と診断。バイタル変化は無く治療継続。以後はlead位置は変わらずHarmony25を留置し得た。異常senseしないようV lead閾値を高めた。lead修整の必要性については両親が今以上の侵襲的治療を望まず経過観察とした。ホルターはW-Bと1:1伝導を認め安定経過しBNPも改善した。【考察】見返すとA lead外側を潜らせる目的で先孔カテを右房へ進めたが、両leadがSVC外壁に癒着しており、外側を進めるカテと交差し、先の右房内でA leadとV leadが癒着していた事で、進めたカテはV leadと絡んでしまっていた。対策として、内壁や心腔内lead間交差部は癒着を十分に想定しつつカテを進める事で回避し得る。又、leadを常に見張る役割を設ける事も解消点として挙げられる。治療時に管球角度が変動することで心腔内の位置関係も変わるため慎重な観察が望まれる。【結語】心腔内leadを伴う症例でのカテーテル治療では癒着を念頭に治療を慎重に進める必要がある。