講演情報

[II-P01-5-06]小児におけるGlobal Longitudinal Strain(GLS)の年齢別正常値の検討

飯田 美穂1, 関根 佳織1, 江尻 夏樹2, 薄根 美咲2, 白沢 吏加2, 河口 真也1, 櫻井 亮佑1, 菅原 沙織1, 石井 純平1,3, 國分 文香1, 宮本 健志1 (1.獨協医科大学 小児科学, 2.獨協医科大学病院 超音波センター, 3.土屋小児病院)
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キーワード:

Global Longitudinal Strain、心筋障害、Ejection Fraction

【背景】GLSは、EFより早期心筋障害検出に優れ、相対的な低下率>15%で治療検討されるが,治療前のGLS値が不明な症例もある,【目的】当院における GLS の正常値を検討し,小児がん患者と比較した.【方法】2021年11月~2025年1月に当院を受診した合併症のない川崎病回復期,機能性心雑音95例(平均年齢5.9歳,男51例)を正常群とし,0~1歳(A群,n=14) ,2~9歳(B群,n=58) ,10歳以上(C群,n=23) に分類した.小児がん患者群(平均年齢12,9歳, n=35, 男15例)は外来患者とした.GE社製vivid E9,vivid E95,EchoPACを用い3名の超音波検査技師が解析した.【結果】EF(中央値,範囲)%はA群65.9(58.9~79.4),B群65.4(58.4~71.5),C群62.5(53.7~75.3),3群間に有意差を認めず(p=0.258),正常群65.0(58.9~73.0)とがん患者群64.2(57.7~69.2)の2群間に有意差は認めた (p=0.006).GLS (%)はA群-21.5(15.9~23.8),B群-22.1(17.7~27.3),C群-20.3(17.2~23.3),3群間に有意差を認め (P=0.002),正常群GLS -21.7(15.9~24.7)とがん患者群GLS -19.2(13.8~23.2)と年齢に有意差(p<0.001)を認めた. GLSは年齢(r=0.275,p=0.007)と左室拡張末期径に弱い相関が認めた (r=0.233,p=0.023) .【考察】年齢と左室径がGLSに関連することが示唆された.がん患者の有意差は年齢の影響も否定できなかった.【結語】 GLSは小児においても簡便で有用な評価だが,成長因子のある小児においては年齢別の更なるデータの集積が望まれる.