講演情報
[II-P02-1-05]Norwood型手術の短期・中期成績の検討
○正木 祥太, 岡田 典隆, 小坂井 基史, 山本 隆平, 村山 弘臣 (あいち小児保健医療総合センター)
キーワード:
Norwood、大動脈弓、HLHS
【目的】
当院におけるNorwood型手術の成績について後方視的に検討する。
【対象と方法】
2017年2月から2024年9月までに当院でNorwood型の大動脈弓形成を行った15症例を対象とした。平均フォローアップ期間は1049日(中央値591日)、手術時日齢平均70日、手術時体重平均3.3kg。症例の内訳は単心室戦略の11例(HLHS 5例、HLHS variant 4例、DORV 1例、TA2c 1例)、二心室戦略の4例(IAA 3例、CoA, AS, VSD 1例)で、全例でbilateral PA bandingを先行した。術後早期死亡および中遠隔期死亡、重大な脳合併症、Fontan到達率あるいはYasui到達率、術後大動脈弓への再介入術後の外科的肺動脈形成について解析した。
【結果】
術後急性期・早期死亡はなし。死亡は2症例で、1例は染色体異常があり気道の問題から気管切開となった症例でYasui待機中に敗血症で、もう1例は共通房室弁逆流が重度で弁置換となった症例をBDG待機中に同じく敗血症で失った。単心室戦略11症例のうち、Fontan到達5例、TCPC 待機2例、BDG 待機2例、蘇生後脳症のためBDG不適例が1例、死亡が1例。二心室戦略4例のうち、Yasui到達2例、Yasui待機1例、死亡1例。大動脈弓に対するカテーテルあるいは外科的な再介入は6例(40%)で、適応は狭窄3例(20%)、拡大2例(13%)、形態不良1例(7%)であった。狭窄の3例はカテーテル検査での圧差が平均17mmHg(中央値10mmHg)で、いずれもグルタルアルデヒド処理の自己心膜補填を要した症例であった。術後肺動脈狭窄に対する外科的な再介入は4例(27%)で、このうち2症例は拡大した大動脈弓の再形成との同時手術であった。
【結論】
Norwood型手術の成績は急性期死亡なく、大動脈弓の再狭窄もmild以下に留まっていた。特にHLHSにおいては死亡なく良好な成績であった。一方で再介入の頻度は少なくなく、更なる検討と術式の改良が必要である。また遠隔成績については引き続き症例とフォローを積み重ねていく必要がある。
当院におけるNorwood型手術の成績について後方視的に検討する。
【対象と方法】
2017年2月から2024年9月までに当院でNorwood型の大動脈弓形成を行った15症例を対象とした。平均フォローアップ期間は1049日(中央値591日)、手術時日齢平均70日、手術時体重平均3.3kg。症例の内訳は単心室戦略の11例(HLHS 5例、HLHS variant 4例、DORV 1例、TA2c 1例)、二心室戦略の4例(IAA 3例、CoA, AS, VSD 1例)で、全例でbilateral PA bandingを先行した。術後早期死亡および中遠隔期死亡、重大な脳合併症、Fontan到達率あるいはYasui到達率、術後大動脈弓への再介入術後の外科的肺動脈形成について解析した。
【結果】
術後急性期・早期死亡はなし。死亡は2症例で、1例は染色体異常があり気道の問題から気管切開となった症例でYasui待機中に敗血症で、もう1例は共通房室弁逆流が重度で弁置換となった症例をBDG待機中に同じく敗血症で失った。単心室戦略11症例のうち、Fontan到達5例、TCPC 待機2例、BDG 待機2例、蘇生後脳症のためBDG不適例が1例、死亡が1例。二心室戦略4例のうち、Yasui到達2例、Yasui待機1例、死亡1例。大動脈弓に対するカテーテルあるいは外科的な再介入は6例(40%)で、適応は狭窄3例(20%)、拡大2例(13%)、形態不良1例(7%)であった。狭窄の3例はカテーテル検査での圧差が平均17mmHg(中央値10mmHg)で、いずれもグルタルアルデヒド処理の自己心膜補填を要した症例であった。術後肺動脈狭窄に対する外科的な再介入は4例(27%)で、このうち2症例は拡大した大動脈弓の再形成との同時手術であった。
【結論】
Norwood型手術の成績は急性期死亡なく、大動脈弓の再狭窄もmild以下に留まっていた。特にHLHSにおいては死亡なく良好な成績であった。一方で再介入の頻度は少なくなく、更なる検討と術式の改良が必要である。また遠隔成績については引き続き症例とフォローを積み重ねていく必要がある。