講演情報
[II-P02-3-03]当センターで経験した心臓腫瘍の13例の臨床経過
○山本 哲也1, 田中 秀門1, 寺澤 厚志1, 桑原 尚志1, 小倉 健2, 中村 真2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔2, 桑原 直樹1 (1.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)
キーワード:
心臓腫瘍、横紋筋腫、臨床経過
【初めに】 小児の心臓腫瘍は、横紋筋腫・線維腫・粘液腫などが主で、早期死亡も含めて一部予後不良とされている。当センターで経験した小児の心臓腫瘍13例の臨床経過を報告する。【方法】 2007年1月1日から2024年12月31日までの18年間で、当センターで心臓腫瘍と診断した小児例を対象に、診断・腫瘍の数と径・臨床症状、診断時期・経過などを診療録から後方視的に抽出した。【結果】 対象となったのは13例、診断年齢は胎児期が8例・出生時が3例(いずれもスクリーニングにて)、残り2例は生後4か月(痙攣契機)と6歳時(心電図検診時)、男児8例・女児5例で、有意な心構造異常は1例でのみ見られ、結節性硬化症を合併したのは8例だった。エコー診断では12例が横紋筋腫疑いで残り1例は不明、腫瘍数は1~20個(中央値 5個)、最大の腫瘍径は9~43mm(中央値 15mm)、流出路狭窄が懸念された症例は3例あったがいずれも経過中に問題ないと判断、有意な刺激伝導障害の合併や心収縮能の低下は認めなかった。フォローアップ期間は紹介となった1例を除いて1.0~11.7年(中央値 7.3年)、死亡例なし、癲癇合併で小児科管理が必要な症例はあるが、いずれの症例にも腫瘍に対しては内科的治療・外科的介入は行っておらず、遠隔期に腫瘍がほぼ消失と判断した症例が3例・明確に縮小した残存している症例が5例、同等の大きさで残存している症例が4例だった。【まとめ】 大半が胎児期・出生時に指摘されており、腫瘍自体の症状で診断に至った症例は1例のみだった。治療介入を要した症例・死亡例はなく、自然歴は良好と言える経過だった。