講演情報

[II-P02-3-08]EXCOR装着中に出血性脳血管障害を合併した症例の検討

伊藤 裕貴, 坂口 平馬, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
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キーワード:

心不全、心移植、EXCOR

【背景】 EXCORによって移植に到達する症例が増加する一方で、長期の装着期間中に出血性脳血管障害を合併する症例も少なくない。
【対象および方法】対象は当院でEXCORを装着中に出血性脳血管障害を合併した小児重症心不全患者6例。診療録を用いて後方視的に患者背景や出血性脳血管障害発症の経過などについて調査し、転帰に関わる因子について検討した。
【結果】脳出血が5症例、クモ膜下出血が1症例であった。3例が移植到達、1例がEXCOR離脱、2例で脳血管障害が原因で死亡していた。生存4例のうち後遺症残存例は3例で、片麻痺が1例、てんかんが2例であった。出血性脳血管障害はEXCOR装着後早期の発症がほとんどであり、また低月齢が多かった。
【考察】EXCOR装着後の出血性脳血管障害は、特に低月齢の児の急性期で注意が必要だが、慢性期には少なく、代わりにドライブライン挿入部の感染が主な問題となる。