講演情報

[II-P02-6-05]超早産児における内大脳静脈の血流波形と心臓自律神経活動の関連

藤野 正之1, 小島 有紗1, 内田 英利1, 齋藤 和由1, 畑 忠善2, 宮田 昌史1 (1.藤田医科大学 医学部 小児科学, 2.藤田医科大学ばんたね病院 臨床検査部)
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キーワード:

Heart Rate Variability、自律神経活動、超早産児

【目的】超早産児の発達をより良いものにするために、予後不良因子である生後1週間以内に起こりうる脳出血(以下IVH)の予兆をより早く捉え、早期介入することが重要である。近年、超音波で描出できる内大脳静脈(以下ICV)の血流波形がIVH発症のリスクを予測できるとされている。ベッドサイドモニターの持続モニタリングでの心電図記録から心拍変動(以下HRV)解析を行い、IVH予防で用いるICVの血流波形と心臓自律神経活動の変化を明らかにする。【方法】対象は2020年1月から2024年3月に当院のNICUに入院した在胎28週未満の極低出生体重児でICVの血流波形がGrade2-3(High grade群)の12例。日本光電社製ベッドサイドモニターBSM-6701で得た心電図を、重症病棟支援システムRPM-7400で保存・抽出し、「GMS社製生体信号解析ソフトMemCalc」と「解析フリーソフトMATLAB」で解析した。時間領域解析で算出されるRR間隔の標準偏差(SDNN)、隣り合った RR 間隔の差の二乗の平均値の平方根(RMSSD)、周波数領域解析で算出される5分間の低周波数領域(LF:0.04-0.15Hz)と高周波数領域(HF:0.15-1.0Hz)の周波数密度(msec2)を求め、HRVを3時間毎に算出した。ICVの血流波形がHigh grade群になる前後でSDNN、RMSSD、SDNN/RMSSD、HF、LF/HFの中央値を比較した。統計学的解析はEZR ver1.40でWilcoxon signed-rank testを行った。【結果】有意な変化はなかったがSDNN、RMSSD、SDNN/RMSSD、HF、LF/HFはそれぞれ上昇した。【結論】ICVのゆらぎが増強すると交感神経や副交感神経が賦活化されるといった関係性が示唆された。HRV解析による自律神経機能評価でIVH発症のリスクを推定できる可能性がある。