講演情報
[II-P03-4-01]当院における人工弁置換例の検討
○小山 智史1, 松本 一希1, 朱 逸清1, 佐藤 純1, 吉井 公浩1, 大島 康徳1, 吉田 修一朗1, 櫻井 寛久2, 西川 浩1 (1.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)
キーワード:
人工弁置換、機械弁、再介入時期
【背景と目的】近年,先天性心疾患治療成績が向上し,ライフプランを鑑みた治療選択を考える必要がある。当院の弁置換患者の経過を振り返ることで治療選択の一助とすることを目的とした。【方法】対象は当院で2025年までに弁置換術(大動脈弁,房室弁:僧帽弁,または三尖弁)を受けた20歳未満の76例(男54名 女22名)を後方視的に検討した。【結果】大動脈弁置換(Av群)が37例(二心室34例 単心室3例),房室弁置換(AVv群)は39例(二心室:34 単心室:5)であった。初回置換年齢の中央値はAv:12歳,AVv:男5.5歳 女4歳。人工弁の選択はAVvの1例のみで生体弁が選択されており,他は全て機械弁であった。76例のうち16例(Av1例,AVv15例)の再弁置換を要した。すべて機械弁で,再弁置換までの期間と再手術の理由は,Av:2.9年(サイズアップ1),AVv:0.1-14.3年 中央値6.4年(人工弁ミスマッチ9 弁機能不全5 感染2)であった。人工弁ミスマッチに関しては二心室8例で初回置換0-8歳 中央値0.5歳,再手術まで6-11年 中央値9年である一方,単心室循環はTCPC後1例で初回8歳に対して再手術まで3年であった。【考察】人工弁置換は抗凝固療法や再手術の懸念,また女性においては妊娠に与える影響も大きい。小児期においては耐久性の面などからほぼ全例で機械弁が選択されていた。成長に伴うミスマッチの症例もそのほとんどが成人する前に治療を要していたため,全例で機械弁のサイズアップを行っていた。 20歳以上の症例では生体弁を選択する症例が散見されたが,小児期介入例においては女性であっても機械弁からの変更はなかった。