講演情報
[II-P03-4-05]純型肺動脈閉鎖および重症肺動脈狭窄症の中長期予後
○田中 秀門1, 桑原 直樹1, 寺澤 厚志1, 山本 哲也1, 桑原 尚志1, 小倉 健2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔2 (1.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)
キーワード:
PA/IVS、cPS、中長期予後
【背景】純型肺動脈閉鎖(PA/IVS)および重症肺動脈弁狭窄症(critical PS:cPS)は新生児期より経皮的肺動脈形成術(PTPV)や体肺シャント術(BTS)を必要とする。また、右室形態や三尖弁径などにより二心室循環または単心室循環を目指す症例があり、転帰は多岐にわたる。【目的および方法】2005年1月から2024年12月31日までに当院で治療したPA/IVSおよびcPS患者について治療歴、死因、類洞交通の有無を検討した。二心室循環群(B群)、単心室循環群(S群)に分けて遠隔期のBNP、HANP値およびチアノーゼの有無を比較した。S群をPA/IVS(SP群)とcPS(SC)群, B群をPA/IVS(BP群)とcPS(BC群)に分け、エコーでの残存PS、PRの程度も比較検討した。【結果】対象患者は37例、PA/IVS 27例、cPS 10例。B群 18例(BP群 10例、BC群 8例)、 S群 19例(SP群 17例、SC群 2例)。観察期間は中央値 9年4か月(17日-19年3か月)、死亡例は4例(11%)であり、死因は突然死 1例(SP群)、BTS術後2例(SP群、BP群)、事故死(非心臓関連) 1例(SC群)。類洞交通は12例に認め、全例S群であった。BNPはB群 10.6pg/ml(5.8-23.1)、 S群 8.9pg/ml(5.8-191)(p=0.95)、 HANPはB群 37.5pg/ml(17.3-92.6)、 S群 18.5pg/ml(10.1-237)(p<0.05)、 SpO2はB群 98%(89-100)、 S群 92.5%(80-97)(p<0.05)。B群のうち、PTPV後に手術介入を受けたのは、BP群で10例中5例(50%)、BC群は8例中2例(25%)だった。残存PSはBP群で13.5mmHg(3-36)、BC群で10.5mmHg(1-40)(p=0.63)、PRはBP群でmoderate 4例、mild以下 4例、BC群でmoderate 4例、mild以下 4例と差はなかった(p=1.0)。【結語】BP群に早期死亡はみられたものの、その後の予後は良好であった。単心室修復例はチアノーゼ傾向にあり、BP群とBC群を比較するとPTPVに加え手術介入する例がBP群に多かったが、最終的なPS, PRは同程度であった。