講演情報
[II-P03-5-03]心臓MRIで計測したglobal strainは先天性心疾患における心不全の予後因子として有用である。
○佐藤 正規1, 石川 友一2, 白水 優光1, 鈴木 彩代1, 連 翔太1, 田尾 克生1, 永田 弾1, 倉岡 彩子1, 佐川 浩一1 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.医療法人 みなとみらい)
キーワード:
心臓MRI、global strain、先天性心疾患
【背景】先天性心疾患において心不全は最も多い入院理由である。近年Global strainが心疾患の予後因子となる報告があり、我々は心臓MRIで求めたGlobal strainと先天性心疾患の心不全予後の関連について検討した。
【方法】後方視的研究で対象は2021年から2022年まで当院で心臓MRIと心臓カテーテルを同時に施行した445例。年齢中央値 7歳(0-35歳)、2心室群が29%、単心室群が71%であった。心臓MRIでGlobal longitudinal strain(GLS), Global circumferential strain(GCS), Global radial strain(GRS)を短軸、4/3/2腔像で計測した。Endpointは心不全入院を設定し、心室形態毎の差異や血行データとの相関も評価した。
【結果】GLS、GCS、GRSはBNPと弱い相関(各r=0.12, 0.18, -0.12)を認めた。いずれも体心室房室弁流入血流量と相関せず前負荷に依存しなかった。Fontan術後はシャントのない2心室群と比較し、GLS(中央値 -18.8vs -15.9%), GCS(同 -21.5vs -17.8%), GRS(同 40.1 vs 29.0%)が有意差を認め、体心室LV毎の比較でも同様であった。Logistic回帰分析ではGLS/GCS/GRSは年齢、SpO2、貧血、房室弁流入量、stroke volume, 平均血圧、体血管抵抗で調整後も心不全入院と相関した(いずれもAUC 0.86)。特にGCSのROC曲線では2心室群でAUC 0.85, Cutoff値-17.5%, 単心室群でAUC 0.80, Cutoff-値16.5%であった。
【結論】MRIで測定したGlobal Strainは先天性心疾患患者の心不全の予後と相関し心不全の高リスク患者の早期発見に有用と考えられた。
【方法】後方視的研究で対象は2021年から2022年まで当院で心臓MRIと心臓カテーテルを同時に施行した445例。年齢中央値 7歳(0-35歳)、2心室群が29%、単心室群が71%であった。心臓MRIでGlobal longitudinal strain(GLS), Global circumferential strain(GCS), Global radial strain(GRS)を短軸、4/3/2腔像で計測した。Endpointは心不全入院を設定し、心室形態毎の差異や血行データとの相関も評価した。
【結果】GLS、GCS、GRSはBNPと弱い相関(各r=0.12, 0.18, -0.12)を認めた。いずれも体心室房室弁流入血流量と相関せず前負荷に依存しなかった。Fontan術後はシャントのない2心室群と比較し、GLS(中央値 -18.8vs -15.9%), GCS(同 -21.5vs -17.8%), GRS(同 40.1 vs 29.0%)が有意差を認め、体心室LV毎の比較でも同様であった。Logistic回帰分析ではGLS/GCS/GRSは年齢、SpO2、貧血、房室弁流入量、stroke volume, 平均血圧、体血管抵抗で調整後も心不全入院と相関した(いずれもAUC 0.86)。特にGCSのROC曲線では2心室群でAUC 0.85, Cutoff値-17.5%, 単心室群でAUC 0.80, Cutoff-値16.5%であった。
【結論】MRIで測定したGlobal Strainは先天性心疾患患者の心不全の予後と相関し心不全の高リスク患者の早期発見に有用と考えられた。