講演情報
[II-P03-5-08]当院における心臓MRI 2D-Phase Contrast法による心機能評価
○佐藤 大貴, 沼野 藤人, 水流 宏文, 額賀 俊介, 馬場 恵史, 塚田 正範, 阿部 忠朗 (新潟大学医歯学総合病院 小児科)
キーワード:
心臓MRI、2D-Phase Contrast、肺動脈狭窄
【背景・目的】心臓MRI(cMR)における2D-Phase Contrast法(2D-PC)は左右肺動脈血流比や弁逆流の定量的評価などが可能である。当院で2D-PCを実施した4症例について検討する。【症例】症例1:13歳女子、PAIVS、Fontan手術後。造影剤アレルギーのため肺動脈狭窄の有無や体肺側副血行路(APCAs)や静脈-静脈シャント(VV shunt)の評価目的にcMRを施行。PAの血流比は右:左=1:1.1であったが、APCAsやVV shuntの定量評価は難しかった。症例2:9歳女子、Ebstein奇形、one and one half術後、Cone手術後。Glenn循環下のPA血流評価及びTR評価、RV機能評価目的にcMRを施行。PAの血流比は右:左=1:1.1、TR率は19.6%、RVEFは37.4%。CIは3.0L/min/m2で、6カ月前のFick法でのCI 2.9 L/min/m2との乖離はなかった。症例3:16歳女性、ccTGAに対してダブルスイッチ、hemi-Mustard術後。Glenn循環下のPA血流評価ならびにTR評価、RV機能評価目的にcMRを施行。PAの血流比は右:左=1.1:1、TR率は32.6%、RVEFは37.8%。CIは3.3L/min/m2で、翌日のFick法でのCI 2.3 L/min/m2と乖離を認めた。症例4:16歳女性、TAPVC(mixed)術後、PAPVC(lt.upper PV to Inn.V)。PAPVC手術適応の評価目的にcMRを施行。Qp/Qsは1.42であった。【考察】CI測定値やPA血流左右差は合理的な結果が得られたものがある一方で、乖離がみられた測定値もあった。乖離の要因として、原疾患による心形態や血管走行によって正しいRegion of interest(ROI)が得られていない可能性や鎮静などコンディションの違いなどが考えられる。【結論】改善すべき課題もあるが、cMRは被爆と負担の低減に繋がるため検査の精度を上げつつ積極的に活用していきたい。