講演情報

[II-PD6-3]当院における3弁付き導管による右室流出道再建術(RVOTR)の遠隔期成績

安野 優樹, 廣瀬 圭一, 伊藤 弘毅, 五十嵐 仁, 中村 悠治, 前田 登史, 渡部 聖人, 菅藤 禎三, 坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

右室流出道再建術、RVOTR、3弁付き導管

【背景・目的】ファロー四徴症(TOF)における右室流出道再建術(RVOTR)では、肺動脈弁の温存が難しい場合に弁付き導管が選択肢とされる。現在、弁付き導管はさまざまな素材・形態が試されているが、当院では主にePTFEによる3弁尖付き導管を使用している。今回、標準的な16/18mmサイズの導管植え込み後の中期成績について検討した。【方法】2006年から2024年にかけて、16mmまたは18mmの3弁付き導管によるRVOTRを受けた2心室修復術後の患者76人を対象に、年齢は1ヶ月~14歳の平均3.78歳、男性63人、女性13人。主診断はTOF, DORV, PAIVS, TGAを含む疾患群であり、先行手術は94%であった。16mm3弁付き導管(n=53)植え込み群は平均2.49歳、平均体重11.1kgで、18mm3弁付き導管(n=23)植え込み群は平均7.28歳、平均体重18.4kgであり、それぞれを後方視的に観察した。【結果】平均観察期間は8.56年で遠隔期死亡は2例(2.6%)であった。死亡原因としては術8年後心不全と、術1年後頭蓋内出血によるものであった。術後遠隔期における再手術介入は30例(39.5%)で、再手術介入の原因としては右室流出路狭窄30例(96.8%)、肺動脈弁閉鎖不全10例(28.6%)、感染性心内膜炎1例(1.3%)であった。16mm3弁付き導管における再介入率は25例(49.0%)で、再介入までの平均期間は8.56年、21例(80%)は弁の可動性や弁からの加速を伴うもの、4例(20%)は導管内または吻合部の加速によるものであった。18mm3弁付き導管における再介入率は5例(21.7%)で再介入までの平均期間は9.2年、5例(100%)全てが弁の可動性や弁からの加速を伴うものであり、1例は血腫による導管の圧迫も認められた。【結論】当院における3弁付き導管のサイズ選択としてはどちらのサイズとしても平均で9年ほど介入が必要であった。16mm導管では弁の劣化よりも体格の成長による導管内の加速を生じるものがあった。体格に適切な導管サイズの選択が必要とされる。