講演情報
[II-PD6-4]ファロー四徴症術後右室流出路再介入の治療成績と長期フォローアップに関する検討
○夫 悠, 小田 晋一郎, 川尻 英長, 藤田 周平, 本宮 久之, 中辻 拡興, 林 孝明, 山岸 正明 (京都府立医科大学 心臓血管外科・小児心臓血管外科)
キーワード:
ファロー四徴症、右室流出路再介入、肺動脈弁機能不全
目的:ファロー四徴症術後における肺動脈弁機能不全は右心室機能低下や不整脈発生のリスクであり,適切なフォローアップ及び再介入が長期予後改善に関わる.当院では18歳以下では再介入の頻度や18歳以下の肺動脈弁置換(PVR)の成績を考慮し成績良好な大口径のePTFE valved conduit,それ以上はPVRを基本方針としPVR時は次回TPVIを見越して25mm以上のサイズを選択している.当院での右室流出路再介入の成績を検討した.対象:1999年1月から2024年12月にファロー四徴症術後に右室流出路再介入を要した55例中,TPVI施行の6例を除いた42名49例(男23名, 女19名).心内修復時にRastelli型の再建を行った症例は除外.結果:肺動脈狭窄(PS)28例,肺動脈閉鎖不全(PR)28例.心内修復術時年齢は中央値2歳7ヶ月(1ヶ月-8歳),心内修復方法は弁輪温存9例,Transannular patch(TAP) 33例. 不整脈12例, 術前のICD植え込み1例.再介入時年齢中央値23歳(1歳-54歳),再介入までの期間中央値17.6年(1年-53年).再介入方法は異常筋束切除2例(4%,6,12歳),TAP 11例(22.4%,中央値9歳(4-29歳)),ePTFE valved conduit 18例(36.7%,中央値25歳(1-35歳),18mm1例,20mm1例,22mm5例,24mm11例),PVR 18例(36.7%,中央値32歳(17-54歳),25mm3例,27mm14例,29mm1例).Maze及びcryoablationを5例併施.三尖弁介入15例,うち1例TVR.追跡期間中央値5.4年(11日-26年),周術期死亡なく遠隔期死亡はPVR1例(詳細不明).PS群で術前圧較差:48.3±22.4mmHg,RV圧/LV圧:0.62±0.20,術後0.40±0.13(p=0.0013)とRV圧は改善.PR群でRVEDVI:術前129.6±37.7mL/m2,術後108.0±21.3mL/m2(p=0.03)と右室容積は改善.再々介入は9例,前回TAP 8例(再手術回避率72.7%),ePTFE valved conduit 1例(再手術回避率5.6%)(p=0.0001)結論:若年で再介入となりTAPを実施した症例では遠隔期での再々介入率が高かった.ePTFE valved conduit及びPVRの成績は良好であり,現在の当院での再介入方法は妥当と考えられた.