講演情報

[II-PD7-4]EXCOR患者のファミリーサポート~長期管理における挑戦~

浦田 晋1, 宮腰 千鶴2, 柴田 深雪3, 菅原 美絵2, 金 基成1, 平田 康隆3, 小野 博1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.国立成育医療研究センター 看護部, 3.国立成育医療研究センター 心臓血管外科)
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キーワード:

心臓移植、EXCOR、家族支援

日本における小児心臓移植は、2010年10月の改正臓器移植法施行以降、増加傾向にあるものの、年間の移植件数は十数例にとどまり、待機患者数に対して依然として十分とはいえない。その結果、18歳未満の心臓移植患者の平均待機期間は686日と、米国と比較して極めて長期に及んでいる。重症心不全患者は、移植までの期間を主に心室補助装置(VAD)に依存することとなり、その補助期間も平均627日と長期にわたる。特に体格の小さい乳幼児には、体外式VADである Berlin Heart EXCOR ® Pediatric(EXCOR) が使用されるため、待機期間中は入院が必要となる。当院ではこれまで、EXCOR治療を受ける乳幼児の入院に際し、家族の24時間体制での付き添いを前提としてきた。しかし、長期の待機は家族にとっても大きな負担となり、その影響は精神的・身体的な面だけでなく、経済的負担や兄弟姉妹のケアなど多岐にわたる。さらに、家族の負担が医療スタッフに及ぼす影響も指摘されている。このような状況を踏まえ、当院では心理士や精神科医によるサポートの提供や、入院付き添いの見直しなど、家族への支援を強化している。本発表では、当院における治療環境と支援の取り組みについて報告する。