講演情報
[II-SY6-2]小児の透析・腎移植と心不全
○三浦 健一郎 (東京女子医科大学 腎臓小児科)
キーワード:
透析、腎移植、体液管理
腎代替療法(透析または腎移植)を導入された小児の生存率は経年的に改善しているが、幼少児、特に乳児期に腎代替療法を開始した場合の生存率は80%前後であり、課題が残されている。主な死因は心疾患と感染症であり、特に透析患者では心疾患による死亡が多い。
透析、特に無尿の透析患者では体液量の管理が重要であるが、ミルクが栄養の主体である乳幼児では水分量が多くなり、成長を担保した体液管理が困難である。小児透析患者の高血圧の主因は体液過剰であり、血圧が体液管理の重要な指標となる。
体液管理が不十分で心不全を呈した場合、腎移植の耐術能に重大な問題が生じる。ドナー腎重量は150~200g程度であり、これを灌流する血液量は300~500 mLとされる。腎移植の術中の血流再開時にはこの血液量を一気に送り込む必要があり、逆に言うと血流再開までにそれを上回る十分な輸液によって体液量過剰状態にしておく必要がある。そのためには十分な心予備能が必要である。
小児透析患者は基本的に腎移植をめざしており、良好な心機能の保持が絶対条件となる。そのため、日々の厳重なドライウェイト管理、血圧管理が必要であり、小児循環器医との適切な連携が重要となる。
透析、特に無尿の透析患者では体液量の管理が重要であるが、ミルクが栄養の主体である乳幼児では水分量が多くなり、成長を担保した体液管理が困難である。小児透析患者の高血圧の主因は体液過剰であり、血圧が体液管理の重要な指標となる。
体液管理が不十分で心不全を呈した場合、腎移植の耐術能に重大な問題が生じる。ドナー腎重量は150~200g程度であり、これを灌流する血液量は300~500 mLとされる。腎移植の術中の血流再開時にはこの血液量を一気に送り込む必要があり、逆に言うと血流再開までにそれを上回る十分な輸液によって体液量過剰状態にしておく必要がある。そのためには十分な心予備能が必要である。
小児透析患者は基本的に腎移植をめざしており、良好な心機能の保持が絶対条件となる。そのため、日々の厳重なドライウェイト管理、血圧管理が必要であり、小児循環器医との適切な連携が重要となる。