講演情報
[II-TRP1-2]重複障害をもつ先天性心疾患のこどもの学校生活ー外来から見えたことー
○黒田 光恵 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
キーワード:
先天性心疾患、学校生活、支援
2021年に「医療的ケア児及び家族に対する支援に関する法律」が施行された。これにより、国・地方公共団体が医療的ケア児とその家族への支援を行う責務が定められ、保育所と学校では医療的ケアを実施できる保育士や看護師の配置などの支援体制を整備することが求められている。しかし、これらの支援は地域によって様々であり、必ずしも子どもと家族の希望に沿う支援体制が取られているとは限らない。 学校生活においては、本来は子どもが家族から離れて自立して集団のなかで学習をするが、重複障害をもつ先天性心疾患の子どもの多くは、酸素療法、経管栄養、人工呼吸器などの医療的ケアを必要としているため、家族が付き添いをしなければならない状況がある。 重複障害をもつ先天性心疾患の子どもが通院している病院では、学校生活の実際はわからない。就学・進学のタイミング、校外学習や運動会などのタイミングで意図的に聞いて状況を知る程度である。僅かな情報ではあるが、外来から見えてきたことを共有して、医療者はどのような支援ができるかを考える機会としたい。