講演情報

[II-TRP1-3]医療的ケアが必要なCHD患者が利用する社会資源と生活:津市での取り組み

山下 ゆり子 (NPO法人 HA-HA-HA 相談支援事業所 子LAB)
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キーワード:

医療的ケア、相談支援専門員、多様な支援

津市では、医療的ケアが必要なCHD(先天性心疾患)患者とその家族が安心して福祉サービスを利用できるよう、様々な取り組みが行われています。相談支援に繋がるまでの過程は複雑で、すでに医療支援を受けている中で福祉サービスの利用目的や意図、障害受容までの時間が必要となり、タイミングの難しさもあります。福祉サービスを受けたいと思っても、障がい福祉課が窓口となる事が多く、敷居の高さを感じられる場合もあり、正しい情報を得られないまま、初回相談が遅れていることも課題となっています。津市では、社会資源や福祉サービスの少なさをカバーするために協力機関や行政対応の厳しさもあります。特に初めての事例となると課題も大きいですが、お子さんと家族のためにできることを第一に考え、対応しています。事例の一つとして、就学前のお子さんの訪問入浴については事例がないとのことで、本人の状況(低体温・入浴同線の複雑さ・ターミナル対応である)を詳しく行政に報告し、家族で介護するにあたりリスクが大きいことなどを検討していただき、利用が叶いました。令和3年6月に医療的ケア児支援法が成立し9月より施行した事により、就園・就学したい親子への合理的配慮への取り組みについても進める事が出来ました。さらに、地域の協力機関との連携を強化し、社会資源の拡充を図ることで、CHD患者とその家族が安心して生活できる環境を整えることを目指しています。相談支援専門員が親子に寄り添い、遊びを通じて子どもの成長を支援し、保護者のニーズに応じた多様な支援を提供することで、利用形態が多様化しています。これらの取り組みを通じて、津市は医療的ケアが必要なCHD患者とその家族が安心して福祉サービスを利用できる社会を実現するために努力しています。