講演情報

[III-CPD5-3]地方会の活性化に向けて:東海小児循環器談話会U45の取り組み

鬼頭 真知子1,8, 大下 裕法2,8, 坪谷 尚季3,8, 眞田 和哉4,8, 寺澤 厚志5,8, 正木 祥太6,8, 鳥羽 修平7,8, 安田 和志1,9, 三谷 義英3,9 (1.あいち小児保健医療総合センター 循環器科, 2.豊橋市民病院 小児科, 3.三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 小児科学, 4.静岡県立こども病院 循環器科, 5.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 6.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科, 7.三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 胸部心臓血管外科学教室, 8.東海小児循環器談話会U45委員会, 9.東海小児循環器談話会世話人会)
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U45、中堅、次世代リーダー育成

近年の小児循環器科医・小児心臓外科医の人手不足は深刻な問題である。その要因は様々だが、若手医師が本領域の専攻を敬遠していることも一因といえる。本学会でも若手医師の育成に取り組んでいるが、専攻を促すには、さらに裾野を広げた勧誘や教育が必要であり、特に地域での活動が重要な役割を果たすと考える。
東海小児循環器談話会は、東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡4県)を対象にした日本小児循環器学会の地方会として位置づけられ、中規模な症例検討会(談話会)を年2回開催している。談話会では活発な討議が行われるが、その内容は小児循環器初学者には敷居が高く、本領域に興味を持っていても会への参加をためらう若手医師の声も少なくない。2020年秋に実施したアンケート結果では、参加者の年代分布は、60歳代9%、50歳代47%、40歳代22%、20-30歳代22%であり、若手参加者の少なさが顕著に現れた。
この状況を改善するため、2021年に「U45委員会」が設立された。この委員会は45歳未満のメンバーで構成され、小児循環器領域に興味を持つ若手医師の勧誘と教育を目的として活動している。設立後4年間で、談話会内特別企画の立案・運営を4回、小児循環器初心者向けセミナーの企画・運営を2回実施した。
中堅医師が中心となって企画・運営を行うメリットは、若年層の意見を直接反映した内容の企画が可能であり、また中堅医師自身も世代交代の意識を高めることができる点である。今後もU45委員会の活動を継続・発展させることで、地域を中心とした若手医師の勧誘・教育のみならず、次世代リーダーの育成が強化されることが期待される。
本セッションでは、U45委員会の4年間の具体的な活動内容を紹介し、その成果と今後の展望について議論したい。