講演情報

[III-CPD6-5]「いのちの授業」-過去から現在までの取り組みと今後の展望-

土井 庄三郎1, 田原 昌博2, 中村 蓉子3, 山村 健一郎4, 齋藤 久美5, 佐々木 昭弘6, 佐藤 毅7, 種市 尋宙8, 山澤 弘州9, 内田 敬子10 (1.東京科学大学 医学部 小児科, 2.広島中央通りこどもクリニック, 3.土浦協同病院 小児科, 4.九州大学 医学部 小児科, 5.筑波大学附属小学校 養護教諭, 6.筑波大学附属小学校 校長, 7.東京学芸大学附属国際中等教育学校 保健体育科教諭, 8.富山大学 医学部 小児科, 9.北海道大学 医学部 小児科, 10.東京医科大学 医学部 細胞生理学分野)
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キーワード:

いのちの授業、学会と教育の連携、心臓移植

【過去】私たちが現在取り組んでいる「いのちの授業」は、2018年~2020年に開催した医学教育事業「PH Japan Project」に端を発している。児童・生徒の学校保健に携わる養護教諭を主な対象とし、小児心疾患に関する幅広い教育講演を計4回行った。その中で学校教諭による「いのちの授業」に初めて出会い、「社会に開かれた授業」を推奨する新しい学習指導要領を追い風に、私たちが自ら「いのちの授業」を実践した。小児循環器医師が児童・生徒に行う「いのちの授業」は、とても大きなインパクトを持つことを実感した。そして学会活動としての永続性を考え、学会内に「学会と教育の連携」委員会を発足させた。【現在】この1年間に、各委員は複数の「いのちの授業」を実践してきた。委員間の意見交換会では、複数ある選択肢の中で「心臓移植」のテーマは、正解の無い問いに対して個々人の納得解を導き、生きる価値を実感させる点で相応しいことを再認識した。東京都予防医学協会の支援もあり「いのちの授業」の啓蒙を目的に、学校保健セミナーで「学校教諭との連携"いのちの授業"~子どもたちの生きる力を育むために~」を配信し、「よぼう医学2025WINTER No27.新年号」に原稿執筆した。そして私たちの念願であった「いのちの授業」ページを学会HPにアップした。【展望】学校教諭との交流や意見交換を更に進めることで、「いのちの授業」をbrush upしていきたい。「いのちの授業」の全国展開に向けて、押さえるべき点を明確にする必要がある。昨年度行った大学看護学部での「いのちの授業」は、全講義の中で最高の学生評価を獲得した。今年度は1看護学部と1医学部を新たに加え、心臓移植/肺移植後患者の体験談とともに、「いのちの授業」を計画している。また日本臓器移植ネットワークと協働し、文部科学省後援の「いのちの教育セミナー」で、全国に発信したいと考えている。