講演情報

[III-CPD7-2]小児循環器内科医としての使命と、共働き家庭の生活を両立させるために

佐々木 大輔, 山中 洋, 鈴木 祐人, 丸尾 優爾, 永井 礼子, 山澤 弘州, 武田 充人 (北海道大学医学部 小児科学教室)
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キーワード:

小児循環器医、共働き、家庭との両立

小児循環器内科医として重症患児の診療に日々携わる一方、呼吸器内科医である妻と共に3人の子どもを育てる共働き家庭の父親として生活している。双方の親族は遠方に住んでおり、育児や家事について家族からの直接的な支援を受けることは難しい。長女は発達障害があり支援学級に通っているが、放課後や長期休暇中の受け入れ先がなかなか見つからず、支援サービスにも限界があるため、妻は本来の勤務を継続することが難しく、仕事をセーブせざるを得ない状況が続いている。私の勤務も緊急対応や夜間の呼び出しが発生しやすく、育児の負担が妻に偏りがちであることを痛感している。そのような状況において、家庭運営の効率化を図るために、家事代行サービスの導入、家電製品の活用、移動支援ヘルパー・タクシー支援の利用、病児保育や一時保育の併用など、多様な社会資源を積極的に活用している。さらに、放課後等デイサービス、アフタースクール、ミニ児童会館、シッターサービスなども組み合わせ、家庭と仕事の両立を模索している。一方で、2024年からの働き方改革の進展に伴い、病院内でも時間外勤務の制限が設けられ、重症患者の管理体制についてもチーム化・交代制が進むなど、業務の見直しが行われてきた。これにより、以前よりも職場環境が改善され、勤務の見通しが立てやすくなりつつある。こうした制度的支えは、家庭との両立を目指す医療者にとって重要な追い風となっている。本シンポジウムでは、小児循環器内科という専門職を継続しながら、共働き家庭としての生活を維持するために直面している課題と、それに対する具体的な取り組みを共有したい。仕事と家庭の両立に葛藤を抱えながらも歩みを進めている仲間として、共感や実践のヒントにつながる場としたい。