講演情報
[III-CPD8-2]NICUにおける先天性心疾患児の家族に対する支援の実際
○青木 美音 (三重大学医学部附属病院 NICU)
キーワード:
家族支援、NICU、看護師
先天性心疾患児を持つ親は、出産直後から我が子に関する疾患の重要な説明を聞き、NICU入院中に一回目の手術を要し、NICU退院後も健常児とは違った心疾患へのフォローが長期的に必要になることを受け止めていく必要に迫られる。出産に対する喜びと、疾患に対する悲嘆反応は同時に発現しうるもので、表出される感情は親によって多岐に渡ることが先行研究でも明らかになっている。上記を踏まえ、当院は先天性心疾患に関する手術を必要とする児を受け入れている県内唯一の施設であり、周産母子センターNICUとして多部署連携や出生前訪問等を通して、出生前から疾患の受け入れ、愛着形成や親役割獲得過程の支援、意思決定支援など、家族の総合サポートを行っている。このような状況下で、当院では日常的に、先天性心疾患の患児とその家族の看護に携わる機会がある。NICUにおけるナラティブ・アプローチやファミリー・センタード・ケアの必要性が叫ばれるようになって久しく、その重要性も日々実感している。しかし、複雑心奇形など患児によって全身状態の経過や治療計画が様々異なり、たとえ経験豊富な看護師であっても家族支援に難渋するシーンが多々存在する。本日は、先天性心疾患児を抱える親が表出したある困難と実際の支援の様子を、切り取った一場面ではあるがお話しさせて頂く機会を頂いた。家族の伴走者として支援した看護実践と、新生児集中ケア認定看護師および助産師としての立場から事例の共有をさせていただき、皆様と意見交換できれば幸いである。