講演情報

[III-CPD8-3]先天性心疾患診断における家族支援 ー医師の立場からー

金 基成 (国立成育医療研究センター 循環器科)
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キーワード:

家族支援、先天性心疾患、共同意思決定

胎児期から新生児期における先天性心疾患の診断は、両親にとって突然のbad newsであり、その内容も難解である。したがって、両親がその内容を正しく理解し、意思決定するために適切な情報提供が重要である。情報提供の場を表す用語はムンテラからインフォームドコンセント、カウンセリング・共同意思決定へと変遷してきているが、これには医療者から患者家族の一方向ではなく、双方向のコミュニケーションが重視されるようになったことが関係していると考えられる。また、情報提供後の家族支援は、医師のみならず看護師、助産師、ソーシャルワーカーや臨床心理士など、多職種のチームよる対応が重要で、胎児期からのピアサポートの実践も行われ始めている。本発表では、情報提供と家族支援に関する自らの経験に加え、「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」や「胎児心エコー検査ガイドライン」の中での家族支援に関する記載、日本胎児心臓病学会の家族支援委員会の活動、家族支援プロセスを制度上で支えることが記載される「成育連携支援加算」等について解説し、先天性心疾患の診断後の家族支援の充実にむけての課題を考察したい。