講演情報

[III-CSY4-12]3D printingと真空注型技術を用いた“超軟質3D心臓モデル” の開発とその応用に関する研究

白石 公1, 大内 秀雄1, 盤井 成光2, 新川 武史3, 稲井 慶4, 小田 晋一郎5, 山岸 正明5, 八代 健太6, 櫻井 一7, 山岸 敬幸8, 黒嵜 健一1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器内科, 2.国立循環器病研究センター 小児心臓外科, 3.東京女子医科大学 心臓血管外科, 4.東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科, 5.京都府立医科大学 心臓血管外科, 6.京都府立医科大学 生体機能形態科学, 7.名古屋大学医学部 心臓外科, 8.東京都立小児総合医療センター 循環器科)
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キーワード:

3D printing、手術シミュレーション、剖検心臓デジタルアーカイブ

先天性心疾患の心臓外科手術の困難さを少しでも解決することを目標に、我々はこれまでに3Dプリンティング技術と真空中継技術をハイブリッドさせた方法で、切開縫合による手術リハーサルが可能となる先天性心疾患の精密な軟質モデルの開発を手掛けてきた。2020-22年に多施設共同で20症例の医師主導治験を実施し、その結果で心臓レプリカの有用性と安全性確認され、日本小児循環器学会WGで決められた疾患に対して、2023年7月に管理医療機器(クラス2)として承認された。今回は2024年に行った保険収載に向けた動きと、剖検心臓アーカイブ化事業について報告する。1) 3D printing技術と真空注型法による“軟質3D心臓レプリカ”の開発:これまでの研究開発経過をまとめ、厚労省産業情報課の指導のもと、2024年12月に同保健局に保険申請希望書を提出した。現在同保健課で審査中であり、次回の保険材料審議会での審議を終えると「軟質3D心臓モデル」は保険収載される予定である。なお治験結果に関する論文は、J. Cardiovasc. Dev. Dis. 2024,11,387に掲載された。2) 希少剖検心臓のデジタルアーカイブ化:東京女子医科大学に保管された世界的にも貴重な心臓病理標本は、経年的にもまた教育用に標本展示するたびに劣化が進んでいる。そこで、同大学のteaching collectionから100例を選択して工業用CTで撮影し(添付写真2枚)、デジタルアーカイブ化する作業を日本小児循環器学会外科系教育委員会(委員長:櫻井一先生)、難病厚生労働科研(代表:大内秀雄先生)と共に進めている。またデジタルアーカイブ化した3次元画像情報を学会員が自由に閲覧できるよう、サイアメント社(代表:瀬尾拡史先生)に委託して、3次元ビューワアプリケーションソフトの開発も行っている。現在までにアプリのプロトタイプが完成している。