講演情報

[III-CSY4-14]小児心筋炎の多施設共同観察研究

石田 秀和1, 武田 充人2, 廣野 恵一3, 山田 佑也4, 高月 晋一5, 宗内 淳6, 小垣 滋豊7, 鈴木 忠樹8, 今中 恭子9 (1.大阪大学大学院医学系研究科小児科学, 2.北海道大学大学院医学研究院小児科, 3.富山大学医学部附属病院 糸魚川・地域医療支援学, 4.あいち小児保健医療総合センター循環器科, 5.東邦大学大森病院小児科, 6.JCHO九州病院小児科, 7.大阪急性期・総合医療センター 小児科・新生児科, 8.国立感染症研究所, 9.三重大学大学院医学系研究科 修復再生病理学)
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キーワード:

心筋炎、レジストリ、多施設

我が国における小児心筋炎の実態調査研究は、1997年から2002年(Saji et al. Circ J.2012;76:1222-1228)と2006年から2011年(Matsuura et al. Circ J. 2016;80:2362-2368)に実施されているが、2012年以降の実態は不明である。特に近年では機械的補助循環の進歩や医学管理の発展によって、より劇症型の症例でも救命が可能になってきていると推測される。また、急性心筋炎の後に慢性化する症例など、慢性心筋炎の実態についてもほとんどわかっていない。
小児心筋炎における治療や予後等の実態調査を目的として、本研究では2012年から2022年に臨床的に心筋炎と診断された症例の後方視的観察研究を実施するとともに、2022年以降に心筋生検にて確定診断された小児心筋炎の前向き観察研究とを実施している。特に前向き研究では、病原体検索として国立感染症研究所と共同した病原体網羅解析も行っている。2024年6月に日本小児循環器学会研究課題Bに採択頂き、より多くの施設に参加頂くことが出来た。2025年3月現在で、後方視的研究は35の参加施設から合計137例、前向き研究は23の参加施設から合計7例の登録を頂いている。今後さらに症例が登録されることで、わが国における小児心筋炎の実態が明らかになるものと考えている。