講演情報
[III-CSY4-3]孤立性右室低形成の疫学と予後調査
○廣野 恵一, 小澤 綾佳, 仲岡 英幸, 西山 真未, 坪井 香緒里, 伊吹 圭二郎 (富山大学附属病院 小児科)
キーワード:
孤立性右室低形成、チアノーゼ、血行動態
【背景】孤立性右室低形成(IRVH)は非常に希少な先天性心疾患であり、右室は低形成であるが、流入路・肉柱部・流出路の3構成を有し、三尖弁は小さいものの流出路に狭窄は認められない。これまでの症例から、血行動態、臨床症状、治療、予後の幅が大きいことが示唆され、その実態解明が喫緊の課題となっている。【目的】学会主導の多機関共同研究・臨床遺伝学的研究を通じ、IRVHの実態、治療法、原因を明らかにすることを目的とする。
【方法】2021年11月より全国65施設中35施設で症例登録を開始。診断は、心エコー、MRI、右室造影および心臓カテーテル検査に基づき、三尖弁や心室中隔欠損の小短絡、軽症Ebstein病等を含むが、主要な先天性心疾患は除外する基準で行われた。
【結果】現時点で22症例が登録され、初診時はチアノーゼ、胎児検診、定期検診等が診断契機となっている。心エコー検査ではRVEDVが正常予測値の約50~53%であり、カテーテル検査ではCVP 5.9±2.8 mmHg、RVEF 55.7±9.4%といったデータが得られた。家族歴の有無や手術実施率も評価された。
【考察】初期登録症例からは、IRVHが臨床的に多様な表現型を示すこと、及び血行動態評価や画像診断による客観的指標の重要性が確認された。従来のレビューとの比較により、本研究が今後の治療戦略や予後改善につながる基礎データを提供する可能性が示唆される。
【結論】今後、症例登録を50例まで拡大し、年1回の追跡調査および半年ごとの情報交換を実施する。全エクソン解析も進行中で、IRVHの病態解明と最適治療戦略の確立が期待される。
【方法】2021年11月より全国65施設中35施設で症例登録を開始。診断は、心エコー、MRI、右室造影および心臓カテーテル検査に基づき、三尖弁や心室中隔欠損の小短絡、軽症Ebstein病等を含むが、主要な先天性心疾患は除外する基準で行われた。
【結果】現時点で22症例が登録され、初診時はチアノーゼ、胎児検診、定期検診等が診断契機となっている。心エコー検査ではRVEDVが正常予測値の約50~53%であり、カテーテル検査ではCVP 5.9±2.8 mmHg、RVEF 55.7±9.4%といったデータが得られた。家族歴の有無や手術実施率も評価された。
【考察】初期登録症例からは、IRVHが臨床的に多様な表現型を示すこと、及び血行動態評価や画像診断による客観的指標の重要性が確認された。従来のレビューとの比較により、本研究が今後の治療戦略や予後改善につながる基礎データを提供する可能性が示唆される。
【結論】今後、症例登録を50例まで拡大し、年1回の追跡調査および半年ごとの情報交換を実施する。全エクソン解析も進行中で、IRVHの病態解明と最適治療戦略の確立が期待される。