講演情報

[III-P01-1-03]先端可動型マイクロカテーテル(LEONIS Mova)のロック機構を利用した新しいガイドワイヤ挿入・交換法

藤井 隆成, 喜瀬 広亮, 山岡 大志郎, 齊藤 真理子, 矢内 俊, 清水 武, 堀川 優衣, 堀尾 直裕, 宮原 義典, 富田 英 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
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キーワード:

カテーテル治療、LEONIS Mova、先端可動型マイクロカテーテル

【背景】 LEONIS Mova(LM)は先端可動型のマイクロカテーテルで、選択が困難な分枝血管へのアプローチを容易にする。先端の屈曲はロック機構で固定でき、これを利用してカテーテルをアンカリングし(LM anchoring)、キックバックを抑えることで、ガイドワイヤ(GW)の挿入・交換(Wiring)が容易となる場合がある。当科では、従来の方法ではカテーテルのサポートが不十分でWiringが困難な病変に対して本法を行ってきたが、本法に関する報告は存在しない。【目的】 LM anchoringを利用したWiringの有用性と安全性を検討する。【方法】 当科でLM anchoringを用いたwiringによりカテーテル治療を試みた症例を対象とし、患者背景、手技の詳細(標的部位、治療手技、wiringの成否、使用したGW、親カテーテル、アクセス、合併症)を後方視的に検討した。【結果】 LM anchoringを用いたwiringは16病変(10症例、15セッション)で行われた。全例、従来の方法でWiringが不可能か困難と予測された病変であった。年齢3.8(0-40)歳、体重5.5(2.7-51)kg。標的部位はPA:3、両側PA banding:6、PV:4、人工血管:2、肺動脈弁:1で、治療手技はPTA:10、ステント再拡大:4、 PTPV:1、ステント留置:1であった。成功率は13/16で、使用されたGWは0.018インチSVワイヤー:11、0.018インチThruway:2、親カテーテルは4F JRもしくはMPカテーテル、アクセスはFV:15、腋窩動脈: 1であった。手技に関連した可能性のある合併症は肺出血:2、LM先端の断裂迷入:1であった。【結語】 アプローチが困難な病変に対してLM anchoringを利用したWiringは有効である。一方、LM先端の断裂は本法に強く関連した事象であり、再発予防作を検討する必要がある。