講演情報

[III-P01-1-04]当院におけるBalloon Atrial Septostomyの適応と有効性に関する検討

豊田 直樹, 飯田 尚樹, 稲熊 洸太郎, 石原 温子, 鶏内 伸二, 坂崎 尚徳 (兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器内科)
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キーワード:

経皮的心房中隔裂開術、static BAS、pullback BAS

【緒言】Balloon Atrial Septostomy (BAS)は狭小化した心房間交通を経皮的に解除する不可欠な手技であるが、以前から使用されていたRashkindカテーテルに代わり、2021年からはNumed 社製のZ-5 バルーンカテーテルが使用されている。【目的】近年のBASの適応と有効性を評価する。【対象と方法】当院において2018年~2024年の期間にBASが行われた新生児・乳児の16例(18件)を対象とし、適応や治療内容、臨床経過を後方視的に検討した。【結果】適応は体肺循環の血流混和群7例(8件)、左心閉塞疾患群5例(6件)、右心閉塞疾患群4例(4件)。BAS施行日齢は中央値23.5日(0-201)、体重3.1kg(2.1-5.2)。施行手技はstatic BASのみ8件(Sterling(S) 5、Tyshak(T) 0、TMP-PED (P) 1、S-T 2)、pullback BASのみ7件(Rashkind (R) 2、Z-5(Z) 5)、static + pullback BAS 3件(S-T-R 1、S-R 1、S-Z 1) 。手技に起因する合併症は一過性の高度房室ブロック 3件で、全例で心房間交通の拡大が得られた。【結語】static BASのみならず、使用カテーテルがZ-5に変更されたpullback BASも安全に施行可能で、症例によっては両者を組み合わせることで高い有効性が得られる。