講演情報

[III-P01-1-07]Fontan手術候補患者の塞栓された内胸動脈本幹大動脈肺動脈側副血行におけるハイドロゲルコイルの再開通抑制効果

大木 寛生, 伊藤 美貴, 山口 修平, 吉田 真由子, 妹尾 祥平, 山田 浩之, 小山 裕太郎, 永峯 宏樹, 前田 潤, 三浦 大, 山岸 敬幸 (東京都立小児総合医療センター 循環器科)
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キーワード:

ハイドロゲルコイル、Fontan、大動脈肺動脈側副血行

【背景】ハイドロゲルコイル(G)のゲル膨潤によるメカニカル塞栓の再開通(R)抑制効果が期待されるが小児循環器領域では十分に明らかではない.
【目的】最も使用頻度が高いFontan(F)手術候補患者の内胸動脈本幹(IMA)大動脈肺動脈側副血行塞栓術後のRについて使用コイル時代別に調査する.
【方法】2010~2024に原則F術前2週以内に塞栓術を行いF術後半年から1年に評価を行ったIMAを対象とし,コイル種類,本数,総長,総容積,Rの有無を調査した.ベアメタルコイル±ファイバーコイル(BF),ハイドロゲルコイル(G),パッキングコイル±ハイドロゲルコイル(PG)の3時代に分類した.Rは鎖骨下動脈造影で1)コイル末梢造影有,2)コイル部分造影有,3)コイル部分造影無,4)コイル中枢造影無の4段階に分類し,3以上をRなしとした.χ2,Kruskal-Wallis検定を行いp<0.05を有意差ありとした.
【結果】33(男20,左心低形成症候群12,純型肺動脈閉鎖8,両大血管右室起始7,不均衡型房室中隔欠損5,三尖弁閉鎖/両房室弁右室挿入/修正大血管転位各2,右室低形成症候群1)例のIMA39本のうちBF/G/PG各時代8/12/19本.月齢,体重差無,コイル種類B(0.012inch Orbit,0.014inch Target,0.020inch Packing)-F(0.018inch Vortex,0.018inch Interlock)-外膨潤G(0.018→0.032inch Azur18)-内膨潤G(0.01475inch Azur CX,0.0135inch Azur soft3D)はBF/G/PG各時代87-13-0-0/0-0-122-16/114-0-36-6cm,本数8.5±4.1/7.8±2.6/4.6±1.6本,PGで少なく.総長100.6±65.3/138.6±51.0/156.3±48.6cm,PGで長く,総容積(外膨潤効果含む)131.1±96.8/648.9±254.0/437.7±265.3mm3,BFで少なくG/PGで多かった.R1-2-3-4はBF/G/PG各時代2-6-0-0/0-0-8-4/0-1-10-8,BFでR多くG/PGでR少なかった.PGでPのみ使用1本のみR2でG使用G/PG全例でR3以上であった.
【結論】F術後IMAに対してP併用によるコイル本数低減によるコスト抑制,GによるR抑制効果を認めた.