講演情報
[III-P01-1-10]PFOデバイスの違いで閉鎖直後のbubble testに差はあるか?
○阿部 忠朗, 塚田 正範, 水流 宏文, 額賀 俊介, 馬場 恵史, 沼野 藤人 (新潟大学 医学部 小児科学教室)
キーワード:
PFO、APO、GSO
【背景】2019年5月に国内でAMPLATZER PFO Occluder (APO)による潜因性脳梗塞に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術 (TPFOC)が承認され、2022年5月からGORE Cardioform Septal Occluder (GSO)も使用可能となった。両デバイスの使い分け、有効性、合併症など未だ明らかになっていない。【目的】PFO閉鎖前後で行うbubble testに両デバイスで違いがないか検討すること。【対象と方法】対象は2023年5月から10月に潜因性あるいは奇異性脳梗塞と診断されTPFOCを行った12例 (女性6例、中央年齢47歳 (28-65歳))。全例、全身麻酔下でPEEP 20cmH2Oをかけ、デバイス閉鎖前後でbubble testを行い、経食道心エコー (TEE)で左房に流入するgrade (G)評価を行った。Gは3以上も評価する目的で経胸壁心エコーにおけるG4 (心房全体をbubbleが満たす)も含めた。使用デバイスはAPO 7例、GSO 5例で、GSO使用開始後はPFO形態に依らず両デバイスを交互に使用した。併せてPFO形態、バルーンサイジング径 (BSD)との関連も調べた。【結果】閉鎖前は11例G4、1例G3で、閉鎖後は中央G2.5 (G0-3)で、その差は中央G1.5 (G1-3)であった。APOとGSOの閉鎖前後の差はそれぞれG1 (G1-3)とG2 (G1-3)で有意差はなかった。PFO形態を中央値 (範囲)として、PFO高2.2mm (1.3-3.3)、トンネル長6.0mm (3.5-12.0)、中隔振幅幅7.6mm (5.3-13.5)、2次中隔厚4.8mm (3.1-8.0)、最短中隔長25.4mm (19.1-33.0)、BSD9.4mm (8.1-12.6)であり、PFO高のみ閉鎖前後のG差と関連があった (p=0.006)。【結語】両デバイスで閉鎖前後のbubble testに差はなく、PFO高が関連している可能性がある。症例数が少なく追跡検討が必要。