講演情報

[III-P01-3-08]大血管転位症Mustard手術後のペースメーカー不全に対しリードレスペースメーカーを留置した一例

麻生 健太郎1, 長田 洋資1, 奥野 泰史2, 佐々木 憲一2 (1.聖マリアンナ医科大学 小児科, 2.聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

成人先天性心疾患、リードレスペースメーカー、大血管転位症

【症例】50歳男性、大血管転位症(I型)2歳でMustard手術を施行。術後に洞不全症候群となり3歳でぺースメーカー留置術を施行。心外膜リードでモードはVVIで、Rate50で管理。17歳で発作性心房細動を発症。PM留置以後ジェネレータ交換を繰り返し成人に至っている。47歳のときに小児病院から当院に紹介。当院で施行した心電図では右軸偏位、I度房室ブロック、完全右脚ブロック、PM不全を確認。PMチェックではリードの閾値低下を認めた。リード自体の寿命によるペーシング不全と考えられ、PM再留置を要すると判断した。造影CT検査を施行したところ左鎖骨下静脈の狭小化を確認。Mustard術後の解剖学的特性を考慮すると経静脈的なPM留置は困難となる可能性がありリードレスPM(LLPM)留置を選択した。右大腿静脈から8Frシースを挿入後18Frまでサイズアップ。バックアップシースを解剖学的左室まで進め心尖部にAVEIR VRTM LLPMを留置した。術後2日で退院。術後3か月が経過しているがPM不全なく経過している。【考案】先天性心疾患では複雑な解剖やこれまでの手術や静脈ラインによる血管狭小、閉塞により経静脈的なPM留置が困難な場合がある。そのような場合LLPMは良い適応となる。