講演情報

[III-P01-4-06]左鎖骨下動脈孤立症を合併した右心型単心室の一例

中井 亮佑, 稲瀬 広樹, 久保 慎吾, 三木 康暢, 亀井 直哉, 小川 禎治, 城戸 佐知子, 田中 敏克 (兵庫県立こども病院 循環器内科)
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キーワード:

左鎖骨下動脈孤立症、右心型単心室、複雑心奇形

[緒言]左鎖骨下動脈孤立症は右側大動脈弓の0.8%に合併する稀な疾患である.先天性心疾患の中ではファロー四徴症への合併が多く,単心室への合併の報告は少ない.左鎖骨下動脈孤立症を合併し新生児期の姑息術を回避した右心型単心室の症例を経験した.[症例]在胎28週6日に胎児心疾患が疑われ当院へ紹介された.右心型単心室(僧帽弁閉鎖,両大血管右室起始),右側大動脈弓,左鎖骨下動脈孤立症と診断した.在胎39週5日,体重3022gで出生した.右動脈管は認めず,肺動脈弁狭窄・弁下狭窄のため早期のシャント手術が検討された.しかし左鎖骨下動脈から左動脈管を通じて肺動脈へ血流が供給されたためSpO2は80%台で安定し,日齢16に自宅退院した.月齢2に心房間交通の狭小化に対して経皮的心房中隔裂開術を行い,月齢4にグレン+心房中隔拡大+左鎖骨下動脈移植へ到達した.[考察・結論]単心室に合併する左鎖骨下動脈孤立症は治療方針に影響を与えるため,その把握が重要である.