講演情報
[III-P01-4-07]動脈管維持に対する動脈管ステントとプロスタグランジン製剤の比較検討
○塚田 正範1, 阿部 忠朗1, 水流 宏文1, 額賀 俊介2, 馬場 恵史1, 沼野 藤人1, 白石 修一3, 齋藤 昭彦1 (1.新潟大学医歯学総合病院 小児科, 2.新潟大学医歯学総合病院 集中治療部, 3.新潟大学医歯学総合病院 心臓血管外科)
キーワード:
動脈管ステント、プロスタグランジン、Norwood
【背景】動脈管(PDA)依存体循環の心疾患にプロスタグランジン製剤(PG)は以前より使用されているが、近年、動脈管ステント(Ductal stenting : DS)の使用も増えている。【目的】2019年1月から2024年12月まで当院で施行したDS留置4例(S群)とPG使用6例(P群)の2群を比較検討する。【方法】診療録より以下の評価項目を後方視的に検討する。評価項目:出生時体重、PDA狭小化数、PDA狭小化契機、PG使用期間、PG最高容量、PG副作用、Norwood手術(NW)までの退院数、NW時日齢、NW時体重、NW時体重増加、NW手術時間、NW合併症。【結果】出生時体重(g)(S群/P群)2673/2723。PDA狭小化数4/4。PDA狭小化契機:S群 診断時1例、肺動脈絞扼術(PAB)後3例、P群 診断時1例、肺動脈絞扼術(PAB)後3例。PG使用期間(日)17/73。PG最高容量(ng/kg/min)176/91。PG副作用:S群 ムチン貯留1例、P群 骨膜肥厚4例。退院数3/0。NW時日齢132/73。NW時体重(g)4648/3277。NW時体重増加(g)1974/554。NW手術時間9時間1分/7時間39分。NW合併症:S群 横隔神経麻痺3例。【考察】DSにより確実にPDAが維持できるため、S群ではNWまで退院し長期待機する事が可能となり、体重増加を得ることができる。一方、DSがdistalで安定するため、NWの際にDSを除去するために大きな視野展開が必要となり、時間がかかり横隔神経に干渉しやすい。P群では、PG長期使用が必要となり骨膜肥厚が生じやすい。両群ともPAB後にPDA狭小化をきたす症例が多く、注意が必要である。【結語】DSにより退院する事ができ、NWまで長期待機が可能となりうる。