講演情報
[III-P01-4-08]単心室修復から二心室修復へと方針転換をしたunbalanced AVSDの1例
○東谷 佳祐, 提島 丈雄, 名和 智裕, 澤田 まどか, 高室 基樹, 庭野 陽樹, 浅井 英嗣, 夷岡 徳彦 (北海道立子ども総合医療・療育センター 循環器内科)
キーワード:
unbalanced AVSD、単心室修復、二心室修復
【背景】一側心室の低形成を伴うunbalanced AVSDはどちらを目指すか判断に苦慮することも多い。今回, 一度単心室修復を目指しグレン手術を施行も, その後, 二心室修復を施行し良好な結果を得た症例を経験したので報告する。【症例】診断はTrisomy 21, unbalanced AVSD, hypo RVの女児。36週6日, 2.7kgで出生し, 日齢11にMPABを施行した。生後9ヶ月, 4.8kgの心カテはQp/Qs=2.9/3.3=0.9, mPAP 16 mmHg, LAP 8 mmHg, Rp 2.7 u・m2, RVEDVI 28 ml/m2, LVEDVI 86 ml/m2であり, 1歳, 5.6kgでGlenn+DKS手術を施行した。Trisomy 21のため, Fontan手術は4歳頃に施行の方針とし手術待機とした。4歳, 12kgの心カテはQp/Qs=1.3/3.0=0.4, Glenn圧 10 mmHg, LAP 7 mmHg, Rp 2.3u・m2, RVEDVI 57 ml/m2, LVEDVI 75 ml/m2であり, Fontan手術の方針とした。その後, 新型コロナ感染症が流行したため手術待機となり, 再度施行した, 8歳, 17kgの心カテでもQp/Qs=1.2/2.2=1.0, Glenn圧 10 mmHg, LAP 7 mmHg, Rp 2.5u・m2, RVEDVI 54 ml/m2, LVEDVI 71 ml/m2であった。右心室だけでなく, 心エコーでも右側房室弁の発育を認め, 二心室修復可能と判断され手術を施行し術後経過は良好である。【考察】グレン手術を施行し単心室修復を目指していたが二心室修復への方針転換が可能であった。経過中に方針転換が可能な症例も存在するため経時的な評価が重要である。