講演情報
[III-P01-6-01]EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュを用いた、EP4発現調節機序の解明
○吉田 賢司1,3, 伊藤 育1, 谷藤 章太1, 内田 敬子1, 南沢 享1,4, 川原 玄理2, 林 由起子2, 横山 詩子1 (1.東京医科大学 細胞生理学分野, 2.東京医科大学 病態生理学分野, 3.東京慈恵会医科大学 小児科学講座, 4.ビューティ&ウェルネス専門職大学)
キーワード:
EP4、ゼブラフィッシュ、薬剤スクリーニング
【背景】プロスタグランジンE2(PGE2)受容体EP4は、出生時に動脈管において発現が上昇することが知られており、動脈管閉鎖に大きく寄与している。しかしその発現調節の分子メカニズムは完全には解明されていない。ゼブラフィッシュは生体内の蛍光シグナルを直接観察できるため、ハイスループットな薬剤スクリーニングに広く用いられている。
【目的】EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュ系統を樹立し、EP4発現調節機構を解明し動脈管を制御するための新たな創薬の標的となりうるEP4発現を制御する化合物の同定を行う。
【方法】ヒトEP4のオルソログであるゼブラフィッシュEP4b遺伝子のプロモーター候補領域をTol2ベクターにサブクローニングした後受精卵に導入し、EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュ系統を確立した。EGFPと内在性EP4bに関して、成魚における臓器別発現量をqPCRで比較した。また稚魚のEGFPシグナルを蛍光実体顕微鏡で撮影し、ImageJで定量評価した。
【結果】EF1aに対する相対的発現量は、内在性EP4bは脳(0.49-1.68倍)で眼と同等、心臓(0.12-1.07倍)や肝臓(0.01-0.48倍)で有意に少なかった。またEGFPは脳(0.96-2.84倍)で眼と同等、心臓(0.12-0.92倍)や肝臓(0.01-0.10倍)で有意に少なく、これは内在性EP4bと同様の傾向を示した(n=10)。また胚や稚魚では体幹神経堤にEGFPシグナルが観察され、先行報告のin situ hybridizationで検出された内在性EP4b発現部位と一致した。さらに目の近傍に強いEGFPシグナルを新たに確認し、ImageJのIntegrated Densityで定量可能であった。signal transducer and activator of transcription 3 (STAT3) 阻害剤投与で、有意差は得られなかったもののEGFPの蛍光強度は低下傾向であった。
【結論】EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュは内在性EP4発現を一部再現しており、EP4発現を制御する薬剤スクリーニングに有用なツールとなりうる。
【目的】EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュ系統を樹立し、EP4発現調節機構を解明し動脈管を制御するための新たな創薬の標的となりうるEP4発現を制御する化合物の同定を行う。
【方法】ヒトEP4のオルソログであるゼブラフィッシュEP4b遺伝子のプロモーター候補領域をTol2ベクターにサブクローニングした後受精卵に導入し、EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュ系統を確立した。EGFPと内在性EP4bに関して、成魚における臓器別発現量をqPCRで比較した。また稚魚のEGFPシグナルを蛍光実体顕微鏡で撮影し、ImageJで定量評価した。
【結果】EF1aに対する相対的発現量は、内在性EP4bは脳(0.49-1.68倍)で眼と同等、心臓(0.12-1.07倍)や肝臓(0.01-0.48倍)で有意に少なかった。またEGFPは脳(0.96-2.84倍)で眼と同等、心臓(0.12-0.92倍)や肝臓(0.01-0.10倍)で有意に少なく、これは内在性EP4bと同様の傾向を示した(n=10)。また胚や稚魚では体幹神経堤にEGFPシグナルが観察され、先行報告のin situ hybridizationで検出された内在性EP4b発現部位と一致した。さらに目の近傍に強いEGFPシグナルを新たに確認し、ImageJのIntegrated Densityで定量可能であった。signal transducer and activator of transcription 3 (STAT3) 阻害剤投与で、有意差は得られなかったもののEGFPの蛍光強度は低下傾向であった。
【結論】EP4-EGFPレポーターゼブラフィッシュは内在性EP4発現を一部再現しており、EP4発現を制御する薬剤スクリーニングに有用なツールとなりうる。