講演情報

[III-P02-2-06]術後遠隔期の体心室流出路狭窄に対する外科的介入

大沢 拓哉1, 前野 元樹1, 加藤 葵1, 大河 秀行1, 櫻井 寛久1, 野中 利通1, 櫻井 一2 (1.JCHO中京病院心臓外科, 2.名古屋大学医学部附属病院心臓外科)
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キーワード:

左室流出路狭窄、Konno手術、両大血管右室起始症

【背景】様々な先天性心疾患において、しばしば術後の体心室流出路狭窄が問題となる。またその外科的介入では狭窄の程度やその形態によっても様々な術式が選択されうるためより最適な術式選択が重要となる。【対象】2017年1月から2024年3月に先天性心疾患根治術後体心室流出路狭窄に対する外科的介入を行った22症例、28手術を後方視的に検討した。【結果】二心室修復術後19例、フォンタン手術後3例で二心室修復患者での原疾患はIAA/CoA VSD 7例、DORV 6例、AVSD 2例、TGA3例、HLHS variant 1例であった。SVOTS解除手術時の体重19.3 (9.2-80)kg、年齢7(2-32)歳、根治手術からは76(15~376)カ月であった。術前カテーテル検査での体心室流出路圧較差は52±21mmHgであった。手術死亡、遠隔死亡は認めず、術前後のエコーによる体心室流出路通過速度は4.64±0.68 m/s, 2.15±0.70 m/sで有意に改善を認めた(p<0.001)。術式はmodified Konnoやreroutingに対して心室中隔への介入を行ったのが10例(A群)あり、その他の群(B群)に比べ大動脈遮断時間が長く(140±61分 vs 87±36分, p=0.008)、術後の体心室流出路通過速度が低い傾向にあった(1.82±0.51m/s vs 2.32±0.74 m/s, p=0.083)。左室流出路狭窄に対する再介入例は6例認めA群1例 (10%)、B群5例 (28%)であった。ペースメーカーを必要とする房室ブロックはB群に1例認めたのみであった。【結語】根治術後の体心室流出路狭窄への外科的介入により術後有意に狭窄は改善したが、27%の症例で再介入が必要であった。心室中隔への介入を行った群の方がLVOTSの残存が少ない傾向にあった。