講演情報

[III-P02-3-01]Piccoloが右肺動脈に脱落した1.0kgの未熟児PDA

阿部 忠朗, 塚田 正範, 水流 宏文, 額賀 俊介, 馬場 恵史, 沼野 藤人 (新潟大学 医学部 小児科学教室)
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キーワード:

piccolo、PDA、embolization

【背景】2.5kg未満の未熟児PDAに対してpiccoloが使用可能となり4年が経過したが、国内での症例数多くはなく、各施設、術者の経験も限られている。【症例】他院にて切迫早産のため在胎25週5日、体重902gで出生した男児。日齢0-2にインドメタシン、日齢6, 8, 9, 14-16にイブプロフェン、日齢18-20にインドメタシン追加投与されたがPDAは閉鎖せず、心拡大、頻脈を伴った。Infant Heart Teamでカテ治療の方針となり、日齢21に当院へDrヘリで転院した。心エコーでPDAはtype FでPA side 2.1mm, 最狭窄部1.6mm, Ao side 3.3mm, 長さ6.9mmであった。日齢22、体重1017g、鎮静呼吸器管理下でカテ治療を行った。FVに4F/7cm prelude sheathを留置、型通りにPDAへアプローチした後にdeliveryカテへ入れ換え造影、形態確認後、piccolo 3/4を選択した。留置はスムーズでエコーでも適切な位置であった。deliveryカテがdeviceと近接しており、cableのfloppy部を出そうとdeliveryカテを引く際にdeviceもわずかに引け、気づかずにdetachしたところ直後に右PAへ脱落した。シースを4F/45cm HaloOneへ換え、4F non-taper angle、LEONIS mova、7mm loop microsnareのシステムで右PA内にてdeviceを把持、mPAまでHaloOneを進め引き込んだが、シースが柔軟で先端が蛇腹状に変形し引き込めず。やむを得ずdevice把持を外し、シースを5F/45cm Destinationへ換え、再把持しmPA内で回収した。Piccolo 4/2を留置し手技を終了した。【考察】detach前の引きテンションとdevice位置の変化に気づけなかったことが脱落の原因と考えられた。低体重児のPAは狭く柔軟であり、回収にはmicrosnareが必要で、4Fの柔軟なシースでは回収できない場合がある。