講演情報

[III-P02-3-02]乳児・新生時期に結紮した動脈管開存症へのカテーテル閉鎖適用の可能性:求む6mm径のPiccolo!

高室 基樹1, 名和 智裕1, 澤田 まどか1, 春日 亜衣2, 和田 励2, 親谷 佳佑2, 提島 丈雄1, 前田 昂大1 (1.北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科, 2.札幌医大 小児科学講座)
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キーワード:

PDA、Piccolo Occluder、乳児

【背景】Piccolo Occluderの登場で低出生体重児を含む新生児・乳児期動脈管開存(PDA)のカテーテル治療が可能となった.しかしPDA径を理由に外科的結紮術を施行する例も少なからず存在する.【目的】新生児・乳児期に結紮術を施行したPDAのPiccoloでの閉鎖可能性を検討する.【方法】2007年9月から2023年12月まで当院で乳児・新生児期に結紮術が行われたPDAの径をShyam’sチャートに当てはめて使用を想定するPiccoloサイズを求めた.チャートのother deviceに相当する例は最小径+2mm以上のサイズが必要と仮定した.【結果】111例の結紮術が行われ、現在だとADO-I,ADO-IIの適応となる体重5kg以上を除外した106例を検討した.日齢は2~108(中央値9),体重は0.5~4.3(平均1.9)kg,Krichenko分類はA型26例,B型2例,C型33例,F型45例であった.最狭窄部径は1.4~6.0(平均3.2)mm,長径は3.0~11.0(平均6.3)mmであった.Shyam’sチャートに当てはまったのはPiccolo 3mmが23例,4mmが20例,5mmが21例であった.残る42例の体重は1.6~4.3(平均2.7)kg,Krichenko分類はA型15例,B型2例,C型23例,F型2例であった.最狭窄部径は3.0~6.0(平均4.1)mm,長径は3.0~11.0(平均6.6)mmで,想定されるPiccoloサイズは6mmが33例,7mmが7例,8mmが2例であった.【考察】ADO-IIのラインアップから考えると6mmおよび7mmのPiccoloは5Fのデリバリーカテーテル,8mmのPiccoloは6Fのデリバリーカテーテルを通過できるよう製造可能ではないかと考えられる.また,径6mm以上のサイズがあるAVP-IIは添付文書にPDAは適応外と明記されている.BASの際には6Fシースを用いており,5Fで留置可能なサイズのPiccoloは十分適用でき,ほぼ全てのPDAがADOファミリーで閉鎖可能になる.