講演情報
[III-P02-3-05]経皮的心房中隔欠損閉鎖初回治療が不成功に終わったがリベンジした4例
○吉田 朱里, 宗内 淳, 峰松 優季, 田中 惇史, 峰松 伸弥, 池田 正樹, 豊村 大亮, 清水 大輔, 杉谷 雄一郎, 渡邉 まみ江 (JCHO九州病院 小児科)
キーワード:
心房中隔欠損症、経皮的心房中隔欠損閉鎖術、完全房室ブロック
【はじめに】経皮的心房中隔欠損閉鎖治療において辺縁欠損例、多孔例、大欠損例等は治療困難であり治療チームのラーニングカーブが要求される。今回、初回治療を断念したが後日再チャレンジした症例を報告する。【症例1】8歳女児。体重19kg。径15.6mm×11.9mmの中心に索状物を伴う多孔例。大動脈辺縁3.1mm、僧帽弁辺縁3.8mm。前方欠損でのバルーン計測径11.4mmに対し、Figulla Flex-II(FFII)(Occlutech社)12mm(脱落)→15mm(リーク残存)→18mm(僧帽弁接触)としたが断念。1年後の再セッションでは後方欠損にAmplatzer Septal Occluder(ASO)(Abbott社)17mmにより閉鎖できた。【症例2】12歳女児。体重31kg。径22.3×17.0mmの中心に索状物を伴う多孔例。前縁~上縁の広範辺縁欠損例。前方欠損でのバルーン計測径22.3mmに対してFFII21mmを留置したが、止血中に確認した経食道心エコーでリーク出現しデバイスを回収。Gore Cardioform ASD Occluder(GCA)(Gore社)44mmの留置を試みたが困難であり断念。1年後、GCA37mmを留置して閉鎖した。【症例3】7歳女児。体重24kg。径18.3×12.2mm(バルーン計測径19.9mm)。大動脈辺縁欠損例。ASO18mmを留置したが直後に完全房室ブロックとなり回収。4年後にGCA44mmにより閉鎖した。【症例4】13歳女児。体重34kg。径22.7×13.9mm(バルーン計測径23.0mm)で大動脈~前上縁の広範辺縁欠損例(中隔malalignmentあり)。GCA44mm(留置困難)→FFII21mm(脱落)→FFII24mm(大動脈圧迫)としたが断念。4か月後にGCA37mm(先端を用手的に曲げた)により閉鎖した。【まとめ】チームのラーニングカーブの向上とは、あきらめない信念に基づく「推進力」と経験の蓄積による「判断の進化」である。