講演情報
[III-P02-3-06]大動脈辺縁欠損心房中隔欠損に対する経皮的閉鎖術におけるデバイスサイズ再考
○峰松 優季, 田中 敦史, 池田 正樹, 峰松 伸弥, 豊村 大亮, 清水 大輔, 杉谷 雄一郎, 渡邉 まみ江, 宗内 淳 (JCHO九州病院 小児科)
キーワード:
経皮的心房中隔欠損閉鎖術、大動脈辺縁欠損、楕円形
【はじめに】大動脈辺縁欠損心房中隔欠損における経皮的心房中隔欠損閉鎖術では心浸食リスクが高いため慎重なデバイスサイズの選択が望まれる。バルーン径より大きなサイズのFigulla Flex-II (FFII)を留置し大動脈辺縁をフレア形状にすることや、Gore Cardioform(GCA)もワンサイズアップして留置することが一般的となる。今回比較的小さめのデバイスで留置可能だった症例を報告する。【背景】2007年2月-2025年1月に当施設で経皮的心房中隔欠損閉鎖術を行った351例の背景を検証した。対象351例(女62%)、年齢11(8-15)歳、ASD径13(10-17)mm、バルーン径15(12-19)mm、デバイスASO 53%、FFII 36%、GCA 11%だった。ASD形状では縦長楕円16%、横長楕円14%であった。ASDとFFIIに限るとデバイス径/最大ASD径比 1.1、デバイス径/バル―ン径比 0.9であった。【症例1】体重24.0kgの6歳男児、ASD径は最大18.1mm、バルーン径21.3mm、ASD縦横比0.56の縦長楕円であった。大動脈辺縁0mmでbaldであった。通常ならワンあるいはツーサイズアップのGCAを選択するが、房室弁への干渉などがあり、最終的にFFII 16.5mmを留置した。デバイス径/バル―ン径比 0.77と小さかったが、リークや脱落といったトラブルなく留置可能であった。【症例2】体重28.6kgの9歳女児、ASD径は最大23.0mm、バルーン径25.4mm、ASD縦横比0.58の縦長楕円であった。大動脈辺縁2.8mmと短かった。通常ならワンサイズアップのGCAを選択するが、房室弁への干渉があり、最終的にASO 22mmを留置した。デバイス径/バル―ン径比 0.87と小さかったが、リークや脱落といったトラブルなく留置可能であった。【結論】デバイス径/バルーン径比が小さくても十分閉鎖可能な症例があり、より慎重なデバイスサイズ計測と選択が望まれる。