講演情報
[III-P02-3-08]心房中隔欠損症のカテーテル治療の変遷とGORE CARDIOFORM ASD Occluderの使いどころ
○中野 億1,2, 檜垣 高史1,2,5, 太田 雅明2,5, 千阪 俊行2,5, 前澤 身江子2, 宮田 豊寿2, 森谷 友造2,6, 藤原 崚太1,2,4,5, 藤本 彩由佳1,2, 赤澤 祐介3,5, 打田 俊司4,5 (1.愛媛大学 医学部 小児・思春期 療育学講座, 2.愛媛大学 医学部 小児科学講座, 3.愛媛大学 医学部 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学, 4.愛媛大学 医学部 心臓血管・呼吸器外科学講座, 5.愛媛大学医学部附属病院 移行期・成人先天性心疾患センター, 6.愛媛県立中央病院 小児科)
キーワード:
心房中隔欠損、GORE CARDIOFORM ASD Occluder、Ao rim
【緒言】心房中隔欠損症のカテーテル治療は、第一選択の治療法として普及しており、Amplatzer Septal Occluder(Abbott)、Occlutech Figulla Flex2 Occluder(Occlutech)に加え、GORE CARDIOFORM ASD Occluder(Gore)の登場により、治療選択肢が増え、適応も拡大した。当科におけるGOREを用いた治療経験を元に、その有用性と今後の課題をまとめて報告する。【対象と方法】対象は2022年以降、愛媛大学医学部附属病院でGOREを用いた心房中隔欠損閉鎖術を受けた34例。欠損孔の大きさ、各rimの長さ、治療結果(他デバイスへの変更を含む)、Erosionの有無、術後合併症について後方視的に検討した。【結果】患者の年齢は8~76歳で、男性11例、女性23例。欠損孔の大きさは経胸壁エコーで5.6~27mm、経食道エコーでは6.6~21.6mm。Ao rimは0~11.2mm(平均1.79mm)であった。GOREを用いたカテーテル閉鎖術は34例中33例で成功し、1例は閉鎖栓が僧帽弁に接触したため、デバイスを回収しFF2に変更した。治療に伴う合併症は、erosionや脱落を含めて1例も認めなかった。デバイスによるAO rimの比較では、Amplatzerが4.75mm、Figulla Flex 2が3.33mm(欠損孔>20mmで2.89mm、<20mmで3.52mm)、GOREは1.79mmで有意に短かった。【考察】Aortic rimが乏しい症例でGOREの使用が多かった。その他、1例は多孔性、1例はニッケルアレルギーのためGOREが選択された。複数のデバイスが使用された症例もあり、下方の欠損孔にFF2、Cribriformを留置後、上方の欠損孔にGOREを使用した。【結語】Aortic rimが乏しい症例や多孔性症例、ニッケルアレルギー症例に対するGOREの適応が期待され、今後の治療選択肢として重要な役割を果たすことが示唆される。