講演情報
[III-P02-3-09]3DCT による GORE Cardioform ASD Occluder の wire fracture の評価
○桝野 浩彰, 宋 知栄, 大城 佑貴, 中村 香絵, 川崎 有希, 佐々木 赳, 藤野 光洋, 高見澤 幸一, 吉田 葉子, 鈴木 嗣敏, 杉山 久 (大阪市立総合医療センター 小児循環器・不整脈内科)
キーワード:
GORE Cardioform ASD Occluder、wire fracture、3DCT
【背景】GORE Cardioform ASD Occluder(GCA)は、ワイヤーフレームのフラクチャー(WFF)が報告されているが、適応の過程とされており合併症とは判断されていないが不明なことも多い。【対象・方法】GCAを留置し6 か月以上経過した29例を対象とした。WFF を認めた症例に対し放射線被爆量を可能な限り抑えた単純CTを撮影、3D構築を行いワークステーションで任意の方向から観察した。実際のCT撮影に先立ちファントム実験を行い至適撮影条件の設定を行った。撮影条件はSIEMENS SOMATON Force(2 管球 192 x2 列)、管球圧Sn 120 k Vp を用い被爆を低減した。心電図同期 sequential モード 1 回転で撮影しWFFの発生率、診断時期、Fracture数、Fractureの経時的変化, 胸部レントゲンでの評価可能率について検討した。【結果】WFF は 29 例中 15 例(52%)に認めた。診断時期:留置後 1 か月から 12 か月 ( 中央値 3 か月 )、Fracture 数:1 から 3(中央値 2)。Fracture の経時的変化(増加)は 15 例中 7 例(47%)に見られた。胸部レントゲンの評価率は82%であった。1例では胸部レントゲンの評価で3本のところ3DCTで6本のWWFを認めた。3DCTによる観察では6petal、8petal に関わらず左右 Petalの wireの分離が容易で、Fracture の状態(分離、非分離)、場所の特定に有用であった。また、3DCTの被爆量0.03mSvと胸部レントゲン(1方向)より少なく、安全性の面でも優れていた。いずれのWFF症例においても臨床上問題となり事象はなかった。【結論】GCA の wire fracture は術後の適応過程とされており、ほとんどが影響ないものと考えられる。一方、WFFの発生率は時間とともに増加する可能性があり、長期的な経過観察が必要である。さらにレントゲンでは過小評価する可能性があり、低被爆 3DCT により詳細な形態や正確な評価が可能である。