講演情報
[III-P02-3-10]GORE Cardioform ASD OccluderのWire Frame Fractureに関する検討
○澁谷 悠馬, 瀧聞 浄宏, 黒嵜 恒平, 成田 昌央, 結城 智康, 淺野 聡, 志水 利之, 米原 恒介, 赤澤 陽平, 武井 黄太 (長野県立こども病院 循環器小児科)
キーワード:
ASD、カテーテル治療、GORE
【背景】GORE Cardioform ASD Occluder(GCA)のワイヤーフレーム破損(wire frame fracture,WF)は,フレームにかかる負荷が大きくなることで発生すると考えられるが,その発生時期については明らかではない.そこで,本研究では当院におけるWFの発生状況を検討し,WFの発生に関連する因子,および早期発生の要因について分析を行った.【対象と方法】2022年4月1日から2025年1月31日までに,GCAを用いた心房中隔欠損症(ASD)のデバイス閉鎖を実施した51例のうち,術後100日以上経過した40例を対象とした.最終フォローアップ期間は365[195ー593]日.対象40例のうち,WFを認めた10例(25%)をWF群,WFを認めなかった30例をnonWF群と定義した.また,WF群のうち術後100日以内にWFが発生した4例をearlyWF群,それ以降に発生した6例をlateWF群として,それぞれ比較検討を行った.評価項目は年齢,身長,体表面積,経食道心エコー検査によるASD stop flow径(SFD)および心房中隔長(TL),GCAデバイスサイズ(DS),DS/身長比,DS/TL比とした.【結果】WF群とnonWF群の比較では,以下のような結果を得た.年齢:WF群15歳[10ー37]vs nonWF群26歳10ー67,身長:WF群154cm[144ー162]vs nonWF群151cm136ー158,体表面積:WF群1.49m2[1.20ー1.56]vs nonWF群1.36m21.08ー1.58,SFD:WF群20.2mm[18.4ー22.2]vs nonWF群14.3mm10.5ー16.8,TL:WF群50.6mm[43.9ー52.6]vs nonWF群47.3mm42.1ー54.2,DS:WF群37mm vs nonWF群32mm(p<0.01),DS/身長比:WF群0.26[0.24ー0.28]vs nonWF群0.230.20ー0.25,DS/TL比:WF群0.83[0.73ー0.85]vs nonWF群0.690.62ー0.81.また,WF発生までの日数はearlyWF群で37[24ー57]日,lateWF群で390[365ー663]日.なお,earlyWF群とlateWF群の各評価項目を比較したが,有意な差は認められなかった.【結語】GCAのWF発生は,欠損孔のサイズやデバイスサイズと関連している可能性が示唆された.一方で,WFの早期発生に関する要因については,さらなる検討が必要である.