講演情報
[III-P02-4-08]様々な契機で診断に至った特発性肺動脈性肺高血圧症の小児3例
○上原 晴香, 堀本 佳彦, 鈴木 一広 (松戸市立総合医療センター 小児医療センター 小児科)
キーワード:
肺高血圧、肺動脈性肺高血圧症、特発性肺動脈性肺高血圧
【緒言】肺動脈性肺高血圧症の初期症状は多彩であり診断に苦慮することも少なくない。
【症例】症例1:13歳女児。2か月前より嘔気・嘔吐を認め、近医受診。総ビリルビン上昇、腹部超音波検査で胆嚢壁肥厚と腹水貯留を認め、急性胆嚢炎疑いで当科紹介受診。腹部造影CT検査を実施し心拡大と心嚢液貯留を認めた。心臓超音波検査で推定右室収縮期圧90 mmHgと高値で、心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧60 mmHgと高値を認め、肺動脈性肺高血圧症と診断した。カテコラミン使用下で肺高血圧治療(初期併用療法)を開始し、全身状態改善し入院52日目に自宅退院した。
症例2:12歳男児。1か月前より労作時呼吸困難と嘔気を訴え、全身の浮腫、7 kgの体重増加があり近医受診。血圧 153/68 mmHg、尿蛋白(3+)、尿潜血(2+)を認め、急性腎炎疑いで当科紹介受診。心胸郭比0.66と心拡大を認め、心臓超音波検査で推定右室収縮期圧150 mmHgと高値であった。心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧78 mmHgと高値で、肺動脈性肺高血圧症と診断した。カテコラミン併用下でプロスタサイクリン持続静注を開始し、内服肺血管拡張薬を導入した。入院21日目に自宅近傍の呼吸器内科へ転院した。
症例3:5歳男児。腹痛、嘔気主訴に近医受診し、末梢循環不全・ショックの診断で当科へ救急搬送された。来院時著明な循環不全(血圧・SpO2測定不能、6 mg/dLの非ケトン性低血糖)、呼吸不全のショック状態で、胸部X線検査で心胸郭比0.62と心拡大を認めた。心臓超音波検査で著明な心機能の低下と推定右室収縮期圧80 mmHgを認めた。何らかの代謝異常症によるショック状態と考え、精査加療目的で専門施設へ転院搬送し、特発性肺動脈性肺高血圧と診断された。
【結語】肺動脈性肺高血圧症は多彩な症状を示し、早期診断に迷うこともあり、詳細な診察や検査を行い、的確に診断・治療を開始することが重要である。
【症例】症例1:13歳女児。2か月前より嘔気・嘔吐を認め、近医受診。総ビリルビン上昇、腹部超音波検査で胆嚢壁肥厚と腹水貯留を認め、急性胆嚢炎疑いで当科紹介受診。腹部造影CT検査を実施し心拡大と心嚢液貯留を認めた。心臓超音波検査で推定右室収縮期圧90 mmHgと高値で、心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧60 mmHgと高値を認め、肺動脈性肺高血圧症と診断した。カテコラミン使用下で肺高血圧治療(初期併用療法)を開始し、全身状態改善し入院52日目に自宅退院した。
症例2:12歳男児。1か月前より労作時呼吸困難と嘔気を訴え、全身の浮腫、7 kgの体重増加があり近医受診。血圧 153/68 mmHg、尿蛋白(3+)、尿潜血(2+)を認め、急性腎炎疑いで当科紹介受診。心胸郭比0.66と心拡大を認め、心臓超音波検査で推定右室収縮期圧150 mmHgと高値であった。心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧78 mmHgと高値で、肺動脈性肺高血圧症と診断した。カテコラミン併用下でプロスタサイクリン持続静注を開始し、内服肺血管拡張薬を導入した。入院21日目に自宅近傍の呼吸器内科へ転院した。
症例3:5歳男児。腹痛、嘔気主訴に近医受診し、末梢循環不全・ショックの診断で当科へ救急搬送された。来院時著明な循環不全(血圧・SpO2測定不能、6 mg/dLの非ケトン性低血糖)、呼吸不全のショック状態で、胸部X線検査で心胸郭比0.62と心拡大を認めた。心臓超音波検査で著明な心機能の低下と推定右室収縮期圧80 mmHgを認めた。何らかの代謝異常症によるショック状態と考え、精査加療目的で専門施設へ転院搬送し、特発性肺動脈性肺高血圧と診断された。
【結語】肺動脈性肺高血圧症は多彩な症状を示し、早期診断に迷うこともあり、詳細な診察や検査を行い、的確に診断・治療を開始することが重要である。