講演情報
[III-P03-1-06]3本の肺静脈が冠静脈洞に環流する部分肺静脈環流異常にPDAを合併した症例に対して外科的修復を行なった1例
○立石 実1, 森 佳織1, 渡辺 重朗2, 中野 裕介2, 河合 駿2, 正本 雅斗2, 五十嵐 大二2, 山本 嵩2, 南 智行1, 齋藤 綾1 (1.横浜市立大学 附属病院 心臓血管外科, 2.横浜市立大学 附属病院 小児循環器科)
キーワード:
部分肺静脈環流異常、動脈管開存、外科治療
【背景】左上肺静脈以外の3本の肺静脈が冠静脈洞(CS)に環流する部分肺静脈環流異常(PAPVC)と動脈管開存(PDA)を合併した症例に対して外科的修復を行なった1例を報告する。PAPVCの発生率は0.2-0.7%と報告されており、そのうちCSへの環流は3%とされている。3本のPAPVCがCSに環流しPDAを合併した症例は稀少である。
【症例】出生後から軽度チアノーゼと頻脈を認め、日齢3に当院に転院搬送され、心エコーでPAPVC、PDAの診断となり、日齢10にPDA ligationを行なった。その後心房間交通の狭小化に対して心房中隔裂開術(BAS)を行い、軽快退院後に体重増加を待って修復術の方針になった。生後4ヶ月時(手術時体重5.2kg)にPAPVC repair施行。術前CTを医用画像ビューワーViewtify(ビューティファイ)で3次元構築し、裸眼立体視モニターで心内の構造を把握した上で手術を行った。手術は心臓型TAPVC(IIa)の術式に準じて、左房後壁をフラップ状に切開し、心房中隔に立ち上げて縫合し、CSを含めて左房側になるように心房中隔に自己心膜パッチを充てた。術後、肺静脈狭窄なく良好な経過だった。
【考察】過去の報告においてPAPVCが2本までは成人期に手術を行なっている症例が多く、3本の症例では乳児期に手術の報告が散見される。Viewtifyによる心内構造の可視化の有用性について、およびPAPVCの稀少な形態と血行動態について文献的考察を踏まえて報告する。
【症例】出生後から軽度チアノーゼと頻脈を認め、日齢3に当院に転院搬送され、心エコーでPAPVC、PDAの診断となり、日齢10にPDA ligationを行なった。その後心房間交通の狭小化に対して心房中隔裂開術(BAS)を行い、軽快退院後に体重増加を待って修復術の方針になった。生後4ヶ月時(手術時体重5.2kg)にPAPVC repair施行。術前CTを医用画像ビューワーViewtify(ビューティファイ)で3次元構築し、裸眼立体視モニターで心内の構造を把握した上で手術を行った。手術は心臓型TAPVC(IIa)の術式に準じて、左房後壁をフラップ状に切開し、心房中隔に立ち上げて縫合し、CSを含めて左房側になるように心房中隔に自己心膜パッチを充てた。術後、肺静脈狭窄なく良好な経過だった。
【考察】過去の報告においてPAPVCが2本までは成人期に手術を行なっている症例が多く、3本の症例では乳児期に手術の報告が散見される。Viewtifyによる心内構造の可視化の有用性について、およびPAPVCの稀少な形態と血行動態について文献的考察を踏まえて報告する。