講演情報
[III-P03-1-07]右左シャントを有する心房中隔欠損症及びEbstein病に対して外科的修復術を施行した一例
○山形 顕子1, 新川 武史1, 吉田 尚司1, 原田 元2, 朝貝 省史2, 齋藤 聡1, 稲井 慶2, 新浪 博士1 (1.東京女子医科大学 心臓血管外科学分野, 2.東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
キーワード:
Ebstein病、心房中隔欠損、右左シャント
症例は5歳男児。出生後チアノーゼ・心雑音を認め、精査にてEbstein病・心房中隔欠損症(ASD)の診断に至った。出生時よりASDは右左シャントで、在宅酸素療法導入後に退院となった。心内修復術を勧められたが実施されず、チアノーゼ増悪 (安静時/運動時SpO2 81/75%)、運動能低下により3年後に当院紹介。心臓超音波検査では、Carpentier分類 type BのEbstein病および中等度三尖弁閉鎖不全、径13mmの二次孔型ASDを認め、心臓カテーテル検査ではQp/Qs 0.63、肺血管抵抗は1.4、RVEDV 71.5ml、 149% normal、RVEF 49%であった。手術では急激な右室容量負荷増大を避けるため三尖弁形成術(Cone法)と4mm開窓付パッチによる心房中隔欠損部分閉鎖を行った。退院時にはSpO2は91%に改善、エコーでは三尖弁閉鎖不全はtrivialで、右室機能良好。術後6か月後のカテーテル検査ではRVEDV 81.7ml、148% normal、RVEF 26%でASD閉鎖試験でもCVPやRVEDP、Qsが不変である事を確認した。後日デバイスにてASDを閉鎖した。
ASDを合併し右左シャントを有するEbstein病について若干の文献的考察を加え報告する。
ASDを合併し右左シャントを有するEbstein病について若干の文献的考察を加え報告する。