講演情報
[III-P03-2-09]乳幼児における術後異所性接合部頻拍に対するニフェカラントの有用性
○林 知洸1, 野崎 良寛1,2, 矢野 悠介1, 石踊 巧1, 村上 卓1,2, 高田 英俊1,2 (1.筑波大学附属病院 小児科, 2.筑波大学医学医療系 小児科)
キーワード:
異所性接合部頻拍、ニフェカラント、周術期管理
【背景】異所性接合部頻拍(JET)は、房室結節からヒス束での自動能亢進により生じる頻脈性不整脈であり、心臓術後72時間以内に多く出現し循環破綻を来すことがある。鎮静や体温管理に加え抗不整脈薬としてランジオロールやアミオダロンが用いられるがしばしば治療抵抗性である。小児の術後JETに対するニフェカラントの有用性は症例報告が散見されるのみでその使用経験は乏しい。
【目的】術後JETに対するニフェカラントの有用性を明らかにする。
【方法】診療録からニフェカラントを使用した15歳未満の症例のうち、心室中隔欠損(VSD)閉鎖を伴う手術例を抽出し、刺激伝導系が異なる内臓錯位症候群は除外し検討した。
【結果】対象は7例で年齢中央値4.0[2.7-10.8]か月。心疾患はVSD 3例、VSD+右室二腔症 1例、ファロー四徴症(TOF) 1例、TOF+肺動脈閉鎖 1例、総動脈幹症1例。VSD閉鎖はパッチ閉鎖が6例、直接閉鎖が1例。合併不整脈は2例で心房頻拍を認めた。ニフェカラント投与前の治療は、全例で体温管理と鎮静が行われ、6例でデクスメデトミジンが投与された。ランジオロールとアミオダロンに不応でニフェカラントを用いた症例が多く、全例でランジオロールを投与され、6例でアミオダロンを投与された。プロカインアミドは当院では採用がなく使用されていない。6例でニフェカラント投与後にレートコントロールが得られ、ペーシングもしくは自己脈で安定した循環動態を保つことができた。1例でニフェカラントによる改善が得られなかった。全例で血圧低下はなく、1例ではQT延長のため投与量を減量した。
【まとめ】術後の難治性JETにニフェカラントを投与した85%で奏効した。今回はアミオダロン不応の2nd lineとして使用している例が多く、第一選択薬となり得るか更なる検討が必要である。
【目的】術後JETに対するニフェカラントの有用性を明らかにする。
【方法】診療録からニフェカラントを使用した15歳未満の症例のうち、心室中隔欠損(VSD)閉鎖を伴う手術例を抽出し、刺激伝導系が異なる内臓錯位症候群は除外し検討した。
【結果】対象は7例で年齢中央値4.0[2.7-10.8]か月。心疾患はVSD 3例、VSD+右室二腔症 1例、ファロー四徴症(TOF) 1例、TOF+肺動脈閉鎖 1例、総動脈幹症1例。VSD閉鎖はパッチ閉鎖が6例、直接閉鎖が1例。合併不整脈は2例で心房頻拍を認めた。ニフェカラント投与前の治療は、全例で体温管理と鎮静が行われ、6例でデクスメデトミジンが投与された。ランジオロールとアミオダロンに不応でニフェカラントを用いた症例が多く、全例でランジオロールを投与され、6例でアミオダロンを投与された。プロカインアミドは当院では採用がなく使用されていない。6例でニフェカラント投与後にレートコントロールが得られ、ペーシングもしくは自己脈で安定した循環動態を保つことができた。1例でニフェカラントによる改善が得られなかった。全例で血圧低下はなく、1例ではQT延長のため投与量を減量した。
【まとめ】術後の難治性JETにニフェカラントを投与した85%で奏効した。今回はアミオダロン不応の2nd lineとして使用している例が多く、第一選択薬となり得るか更なる検討が必要である。