講演情報

[III-P03-4-04]膝窩静脈内に残存した抜去困難末梢挿入中心静脈カテーテルに対するスネアカテーテルでの回収経験

西久保 拓真1, 辻井 信之1,2, 梶本 昂宏1,2, 野上 恵嗣1 (1.奈良県立医科大学附属病院 小児科, 2.奈良県立医科大学附属病院 先天性心疾患センター)
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キーワード:

末梢挿入中心静脈カテーテル、スネアカテーテル、抜去困難

【背景】新生児において、輸液や薬剤投与のために末梢挿入中心静脈カテーテル (PIカテ)が広く使用されている。一方で長期留置により抜去困難となる例が存在する。今回、抜去困難となった膝窩静脈内PIカテに対してスネアカテーテルで回収し得た症例を経験したため報告する。【症例】4ヶ月女児。64cm、5.4kg不均衡型房室中隔欠損、左室低形成、大動脈低形成、遷延性肺高血圧でNICU入院。日齢15に両側肺動脈絞扼術施行し、lipo-PGE1持続静注下でNorwood型手術待機。日齢63に感染徴候あり、左下肢からPIカテを入れ替えた。日齢142に入れ替えのため同PIカテ抜去を試みるも抜去できず、コンサルト。牽引によりPIカテ先端は膝窩静脈内であった。エコーで膝窩静脈血管径1.5mm程度であり、2mmのグースネックスネアカテであれば抜去できる可能性ありと判断し、カテ室で抜去トライ。付属のワイヤーをPIカテに通し、ワイヤーごとスネアカテで捕捉しようとしたが、PIカテは牽引のため引き延ばされ、付属のワイヤーは通らなかった。対側大腿静脈に5Frシース留置。グライドキャス4Frコブラをスネアカテが通過したので0.035 radifocusを使用しながら4FrコブラすすめるとPIカテ先端まですすんだ。なんとかPIカテ先端を捕捉。断裂覚悟で牽引すると断裂。スネアカテ内に1cm程PIカテあり。その後、足背からPIカテを牽引すると抵抗なく抜去でき、透視で残存物がないことを確認し終了した。【考察】抜去困難なPIカテに対して、膝窩静脈内であってもスネアカテーテルによる回収は可能であった。