講演情報

[III-TRP2-3]フォンタン術後患者の自律・自立に向けての取り組み-フォンタンの会を通して、疾患・フォンタン循環の理解へつなげる-

田畑 りえ子1, 島袋 篤哉2, 大城 彩1 (1.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 看護部, 2.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器内科)
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キーワード:

移行期支援、自律・自立支援、フォンタンの会

【背景】当院は県内唯一のこども病院で移行期医療支援を推進しており、移行期支援看護外来で患者の自律・自立に向けた支援を行っている。先天性心疾患において、フォンタン術後患者(以下患者)の患者教育は重要である。しかし学ぶ機会が少ないため、自分自身の疾患、治療について患者自身が理解できていないことが多い。そこで正常心臓の働きやフォンタン循環について患者へ理解を促すためフォンタンの会を開催した。【目的】患者が自身の疾患、フォンタン循環に興味を持ち、理解へ繋げることができる。【方法】当院に通院している患者へフォンタンの会開催についてパンフレット作成し広報した。参加者を4歳~9歳、10歳~15歳、16歳以上にわけ1グループ5~7名の7グループとした。医師が正常心臓の働きを説明し各年代別に課題を設け心臓の模式図に色塗りや名称の記載を実施した。その後フォンタン循環について模型を用いて説明した。看護師が移行期医療支援について話し、成人患者の体験談の後、意見・情報交換を実施した。会の時間は3時間とした。【結果】患者の参加者は40名、保護者は63名であった。アンケート回収は38名であった。正常心臓の働き、フォンタン循環、移行期医療支援について全員がよくわかった、わかったと答えていた。このような会にまた参加したいかの問いに全員がはいと答えた。参加しての感想は、「正常な心臓の仕組みがわかった」「フォンタン循環は調べても理解が難しかった、参加して理解ができた」「同世代の患者と情報交換ができた」であった。【考察】参加者を年代別のグループに分けることで交流しやすい環境となり、課題を設けることで正常心臓の働き、フォンタン循環につて興味をもち、理解を深める事へ繋がったと考える。【結論】フォンタンの会開催は、患者の自律・自立に重要な疾患理解に繋がるため、開催を継続するための取り組みが必要である。