講演情報

[I-CPD1-4]群馬県における学校心臓検診デジタル化の課題 ―関係者アンケート調査から―

池田 健太郎, 佐々木 祐登, 稲田 雅弘, 浅見 雄司, 中島 公子, 下山 伸哉 (群馬県立小児医療センター 循環器科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

学校心臓検診、デジタル化、省略4誘導

【背景】群馬県では学校心臓検診の一次検診は判定委員である小児循環器科医、小児科医、内科医が一箇所に集まり、紙ベースの問診票・心電図・心音図および胸部レントゲン写真をもとにスクリーニングを行い、有所見者に対して指定医療機関への受診を指示している。高校1年生では12誘導心電図と心音図、小学1年生・小学4年生・中学1年生では省略4誘導心電図と心音図による検診を実施している。
【目的・方法】関係者のデジタル化に対する認識と課題を明らかにすることを目的として心臓検診判定委員15名および学校心臓検診に関わる検査技師15名の計30名を対象にデジタル化に関するアンケート調査を行った。
【結果】デジタル化について将来的に必要と回答した者は93%であった。一方で判読方法、心音図、レントゲンの運用については80%以上が現状維持を望んでいた。デジタル化が進まない要因としては予算の問題(83%)が最も多く、進め方の指針が不明(57%)、現状で困っていない(37%)、教育上の理由(33%)、業務負担の増加(33%)が挙げられた。また複数の医師で判読を行う際には紙媒体の方が運用しやすいとの意見も認められた。
【考察】群馬県における学校心臓検診のデジタル化にあたっては予算面の課題に加え、従来の集合判読による運用方法の変更が必要となる可能性があり、これらが導入の障壁となっていることが示唆された。今後は先行地域の事例などを提示し、デジタル化の利点を共有することが重要と考えられる。また群馬県で使用されている心電計は省略4誘導および心音図のMFER規格出力に対応しておらず、将来的なデジタル化の観点からも12誘導心電図への移行が望まれる。