講演情報
[I-CPD1-5]小児循環器学会、小児循環器医療DXワーキングの立場から
○三谷 義英1,2, 檜垣 高史2, 加藤 愛章2, 鮎澤 衛2, 鈴木 博2, 鈴木 嗣敏2, 福永 英生2, 澤田 博文2, 原 光彦2, 岩本 眞理2. 長嶋 正實2, 山岸 敬幸2 (1.三重大学病院, 2.日本小児循環器学会、小児循環器医療DXワーキング)
キーワード:
学校心臓検診、医療DX、デジタル化
学校心臓検診は、わが国が世界に先駆けて整備してきた児童生徒の循環器疾患スクリーニング制度であり、心臓突然死の予防、小児期発症心疾患の早期発見と管理に大きく貢献してきた。一方で、現在も多くの地域で紙媒体を中心とした運用が残り、心電図判読、問診、最終診断、学校生活管理区分、精密検査後の情報が十分に連携していない。判読医不足、地域間格差、未受診者や事後措置の把握不足、行政指標の未整備により、検診精度の管理や保健行政におけるPDCAサイクルの構築が困難であることも大きな課題である。さらに、学校心臓検診は小児期の一時点の検査にとどまらず、先天性心疾患、心筋症、不整脈、肺高血圧などの小児循環器難病を生涯にわたり支援するライフコースデータの起点として再定義されるべき時期にある。日本小児循環器学会は、関連学会とともに学校心臓検診のデジタル化に関する提言を発表し、心電図判読の電子化を第一段階として、問診、心電図判読、診断、管理区分、PHR・PMHとの連携を見据えた学校心臓検診のデジタル化の必要性を示してきた。今後は、国・行政と、実際に検診業務を担う自治体、医師会、検診事業者、ベンダーをつなぐ標準的な運用指針が不可欠である。具体的には、問診項目を含むデジタル標準データセット、電子的心電図判読システム、最終診断・生活管理区分の入力様式、個人情報管理、デジタル精度管理システムとモデル指標、持続可能な費用負担モデルの整備が求められる。本発表では、母子保健DXの先行事例から得られる示唆を踏まえ、地域の実情を尊重しつつ、全国的な標準化と持続可能な学校心臓検診DXを実現するために、現状のニーズと課題、学会が果たすべき役割、行政との協議事項など、合意形成を図りたい。
