講演情報
[I-CSY2-06]先天性無脾症候群における感染管理と重症感染症経験の全国実態
○上野 健太郎 (鹿児島大学病院 小児科)
キーワード:
無脾症候群、感染管理、発熱時対応
【背景】無脾症候群では侵襲性細菌感染症が急速に重症化し得るため、予防接種に加え、患者・家族教育、抗菌薬予防内服、発熱時の迅速受診と早期抗菌薬投与を含む多層的感染管理が重要である。しかし、本邦の小児循環器診療施設における対応方針の実態は十分に明らかでない。【方法】日本小児循環器学会課題研究Bとして、全国の小児循環器関連施設を対象に、2025年11月23日~12月26日に横断的質問紙調査を実施した。重複回答を統合し102施設を解析対象とした。感染管理の実践状況を把握するため、無脾症候群に対する患者・家族教育、発熱時対応、発熱時緊急内服抗菌薬体制、抗菌薬予防内服、肺炎球菌ワクチン方針、髄膜炎菌ワクチン方針に関する施設方針を評価した。【結果】各項目の導入率は、患者・家族教育79.4%、発熱時対応43.1%、発熱時緊急内服抗菌薬24.5%、抗菌薬予防内服38.2%、肺炎球菌ワクチン方針71.6%、髄膜炎菌ワクチン方針36.3%であった。重症感染症経験は10.8%の施設で報告され、20人以上診療施設で高率であった(27.6%、p=0.005)。起因菌は肺炎球菌が最多であり、死亡例も報告された。【結論】本邦の無脾症候群の感染管理方針には施設間差がみられ、とくに発熱時緊急内服抗菌薬、抗菌薬予防内服、髄膜炎菌ワクチン方針で判断が分かれていた。本調査は現状把握と課題抽出のための基礎資料であり、今後は本邦の医療アクセス、感染症疫学、ワクチン供給・費用を踏まえた実践的指針の検討が必要である。
